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ア・バオ・ア・クゥー A Bao A Qu >>関連項目一覧


インドのジャイナ教にまつわる伝承の魔物。体全体で物を見ることができ、半透明に近い皮膚で、触ると桃の皮のような感触だという。

ジャヤ・スタンバ(勝利の塔)の内部の階段の最下段にいて、階段を登る者の踵について登っていくという。階段を上がっていくごとに、 体の色が強くなり、その形が完全なものとなっていき、体から放つ青味を帯びた光が輝きを増すという。最上段に登れた ア・バオ・ア・クゥーは涅槃に達した人間になるというが、そうでない場合、麻痺したようになり、体は不完全で、 青色の光も薄れ、苦痛に苛まれ絹の擦れるようなかぼそい呻き声をだす。

しかし、階段を昇った者が降りれば、ア・バオ・ア・クゥーは最初の段へ転がるように戻り、倒れ伏す。疲れきって殆ど形のない体になり、 次に階段を登るものを待つ。ア・バオ・ア・クゥーが塔の最上階にたどり着いたことは一度しかないという。

バートン版の『千夜一夜物語』の注にア・バオ・ア・クゥーの伝説が載っているというが、河出書房版の邦訳では確認できなかった。

 
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