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チュウシュウ 中秋(の名月)、仲秋 ちゅうしゅう

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*日本の暦では2016年は9月15日(月齢満月は17日)。
中国起源の伝承、祭事。日本、朝鮮半島、ベトナムなど中国に隣接した文化圏でみられる。 漢語の発音に近いものはチュン・トゥーとも(ベトナム)。 中国では仲秋節。 国、文化圏で祝い方、お祭りの仕方が違うので日本の場合を主に記載する。
なお新月から数えて15夜めが中秋の名月で月齢の満月とは異なる。芋名月。

ちなみに、中秋とは三秋(初秋、仲秋、晩秋)の真ん中の時期。陰暦の7、8、9月。
「三秋の思い」「一日三秋」(思慕の情の切なることのたとえ。1日会わなければ三秋も会わない ように思うとの意)などの言葉もある。
「一日千秋」も関連、類似として辞書では扱われている。(ただしこちらの秋は「年」の意味という)
秋は収穫期であり、一年の中でも待ち遠しい、思いのこもる時期なのかもしれない。

古くは「ちゅうじゅう」とも。昔は濁音を表記しない慣習があり、いつのまにか濁音が とれてしまう言葉がみられる。 陰暦8月15日にあたる。仲秋が旧暦の8月のことをいい、中秋は8月15日とも。中秋の名月は 十五夜お月さんというわけである。
厳密な月齢の満月にあたるとは限らない。(昔は新月から三日目で三日月など数えて いたわけで十五夜はほぼ満月にあたる)
現行では白露(はくろ 9月8日ごろ)から寒露の前日(10月7日ごろ)までにあたるようだ。 秋分を含む月が旧暦では8月と定義されている。

日本では「お月見」と称して様々なお供えをするが、他の季節の催しにくらべ都市部では 地味であったり、行われていない。
おだんごを供える「月見団子」、またススキを飾るのは、本来は病虫害や災害から農作物を 守り、豊作を願う農耕儀礼の残存とみられる、という。 近畿地方ではお月見に団子とサトイモも供えるという。

中国では満月の円満な姿を象徴した月餅(げっぺい ユエピン)を仲秋節に、 クリ、スイカ、ナシ、カキなど丸い果物とともに月に供えたり、親しい間で贈答しあい互いに 幸福を祈る習慣があるようだ。

参考資料
故事名言由来・ことわざ総解説 (自由国民社)
国立天文台(中秋の名月)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本大百科全書 (小学館)

 
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