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イワシ(鰯)の頭も信心から いわしのあたま(かしら)もしんじんから >>関連項目一覧


日本の、信仰心のありようをあらわした言葉か。
「イワシの頭のようにとるにたらないものでも、信ずる気持ちがあれば尊いものに見える 、信仰する人には大事なものになること。 信仰心の不思議さをたとえた語、信仰心が不思議な力を持つたとえ」 「また物事をかたくなに信じる人を揶揄(やゆ)するときなどにもいう」
と国語辞典などには書かれている。

しかし、もう一方で「イワシの頭も信心」は、日本人の信仰心の、良く言えばおおらか、 悪く言えばいい加減ともいえる傾向性、あり方を表した語と考えるのが現代では多そうである。
なんでもありがたがる「ありがたや信仰」ともいえる。
「かたくなに信じる」ではなく「テキトーに信じる」ことを揶揄するように変わった感がある。

世界的には人間自体が持つものともいえるが東アジア、またその中のアニミズム(自然信仰、万霊信仰)、 さらに日本的信仰観、と挙げた順にこの「何でもありがたがる」傾向性は強くなるように思われる。

このたとえにでてくる「イワシの頭」とは節分の際などにの飾りものをいっているようだ。 イワシの頭を焼いてヒイラギの小枝に刺し、戸口や軒に刺すことが東京などでみられるようだ。 焼嗅(やいかがし)、柊鰯(ひいらぎいわし)などというらしい。
東北地方では、窓ふさぎとか戸ばさみ餅という、イワシや切り餅を串に刺して戸や窓の口に挟むことが 広く行われているという。

参考文献・出典
・日本国語大辞典 (ジャパンナレッジ)
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本大百科全書 (執筆者:井之口章次 小学館)

 
関連項目一覧
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