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リンピョウトウシャカイジンレツザイゼン 臨兵闘者皆陣列在前

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九字、九字印、早九字とも。中国、日本の伝承、呪文。読みは
「りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん」
「りんぴょうとうじゃかいじんれつざいぜん」とも。

漢語で、読み下し文は「兵闘に臨(のぞ)む者、皆な陣列して前に在り」。 抱朴子に「兵闘に臨む者は皆な陣列して前に行く」とも。

中国の道家、兵家の一種の呪文。九字護身法、六甲秘呪ともいう。 道士が山にはいる時の魔除けの呪文がもとで兵法家も用いるようになったという。 後に日本に伝来して修験道、密教で用いられるようになり、鎌倉時代には武士の間に広く用いられていたようだ。 さらに忍者も用いていたという。

指で縦4本、横5本の線を空中に描けば、あらゆる災難・禍(わざわい)を未然に防ぐことができ、安全でいられるという。 これを早九字(はやくじ)という。真言密教では早九字の前に「悪魔降伏、怨敵退散、 七難即滅、七復速生秘」と唱え息を吹き入れるという。 指は刀印という、ひとさし指と中指を立て、残りの指は握る形で行う。

早九字でない場合、一文字ずつに九字印をつくる。 順番に金剛鈷印、大金剛輪印、外獅子印、内獅子印、外縛印、内縛印、智拳印、日輪印、隠形印 を結ぶ。 九字は中国が元であるが、印は仏教、インドの影響によるものである。

忍者は呪術より精神集中のために行ったともいわれる。太陽や月に向けて行ったようだ。

参考文献・出典
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・大辞泉 (JapanKnowledge)

 
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