幻想世界神話辞典 〜
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バジリスク Basilisk >>関連項目一覧あるいは、バシリスク、バジリコック Basilicock、またはコッカトリス Cockatriceとも。名前はヘレネス(ギリシア)語で「小さな王」(バシレウス 王)の意。古代ヘレネス(ギリシャ)・ローマから中世ヨーロッパの伝承にみられる魔物。 プリニウス Gaius Plinius Secundus(23〜79)の博物誌8巻33には、頭に王冠の形をした輝く斑点もった蛇、と記述されているようだ。また、その眼差しで岩を砕き、草木を焼き尽くしたという。 中世になると姿を変え、とさかと黄色の羽毛と翼、先端は鉤形かもうひとつの頭になっている蛇の尾を持つ4本脚の鶏としても伝わったようだ。チョーサー Geoffrey Chaucer(1343〜1400)の「カンタベリ物語」の「牧師の物語」にバジリコックについて「その眼差しの毒によりて民を殺す」と書かれている。コックcock、コッカCockaは雄鶏を指す言葉である。ヒキガエルに温められた「雄鶏の卵」から孵化したものがこの魔物になるともいわれる。また、アルドロヴァンディ Ulisse Aldrovandi(1522〜1605)の「蛇と竜の博物誌」では図版に8本足のトカゲの姿で描かれていた。 バジリスクの棲息する場所は毒のためか砂漠になるという。鳥は倒れ、果物は黒ずみ朽ち、水を飲んだ川は何世紀も毒が消えないともいう。ただイタチだけが魔物の力を寄せ付けないという。また雄鶏の鳴き声で逃げるとも、鏡をむけると自らの力に打たれて死んでしまう等の弱点も伝わる。 405年成立といわれるウルガタ(普及版)聖書には、ヘブライ語Tsepha(有毒の爬虫類をさす)の訳にコッカトリスの語があてられていたという。 このような伝説的な毒性はないが、首にトリケラトプスのようなトサカを持ったトカゲがいて、バジリスクと呼ばれている。 また中米コスタリカのジャングルに棲むトカゲに「バシリスク」の名がつけられている。全長80センチ程で水上を 二本足で駆けていくという奇妙な行動をする。 関連項目一覧
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