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クック・ロビン コック・ロビン cock robin [コマドリ])

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ブリテン(イギリス)、イングランドの童謡マザーグース Mother Goose の「誰が殺したクックロビン」が知られる。

 だれが殺した?クック・ロビンを
 私、とスズメが言った
 私の弓と矢で
 私がコック・ロビンを殺したの
(この後、いろいろな鳥が役割をもって葬儀をする コマドリの葬式 18世紀半ば)
‘Who killed Cock Robin?' (コマドリを殺したのはだれか)は有力者更迭の黒幕は誰か等の意味にも使われる。

クック・ロビンは雄のヨーロッパコマドリのこと(日本のコマドリとは違う)。 cockには「おんどり」「親分」「上向きに立つ」など男らしい意味がある。
赤い胸が特徴的でRobin Redbreast(赤胸のコマドリ)と呼ばれる。 1400年頃の詩にロバート・レッドブレストという表現がみられる。
ミソサザイと並んでイギリス人から最も愛されている小鳥だという。 イギリスの国鳥である。
ちなみにRobinはロバートの愛称で、鳥ではあるが人称代名詞はHeである。 (ミソサザイはJenny ジェニー・レンでSheであつかわれる)

マザーグースの中でいくつかのうたに登場し、また伝承童謡に多くうたわれている。

コマドリの鳴き声の音調は哀れっぽいとうけとられるようで、マザーグースの中では 「可哀そうなPoorコマドリ」といわれたり、 ワーズワースがこの鳥に「鎮魂歌を歌ってほしい」という詩を書いている。

キリスト教的な伝承もありそれで「神の鳥 God's brid」とも呼ばれる。
伝承は胸が赤くなったことの起源説話で、キリストが十字架を背負いカルバリの丘へ向かう 途中、頭のイバラの冠の棘をコマドリがくちばしで抜き取った時、棘の先端から したたった救世主キリスト の血潮が胸にかかり、褐色だった羽毛が赤に染まったのだという。

参考資料
世界の鳥の民話
マザー・グースの誕生 (鈴木一博:著 現代教養文庫)
・プログレッシブ英和中辞典(第4版)

 

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ブリテン(イギリス) (文化地域)
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