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デビル(デヴィル 悪魔) devil >>関連項目一覧


ヨーロッパ、キリスト教での神に敵対する者、魔物などを指す言葉。「悪魔」と訳される。 日本の国語辞典では「悪魔、魔王、サタン、デーモン」と幅広い。

英語デビル(デヴィル)devil は、語源はラテン語ディアボロス Diabolosであり、 こちらではより、サタン、魔王としての意味合いが強い。さらに語源はギリシャ語ディアボロ「告発人、中傷者」で、聖書のヘブライ語サタンsatanの翻訳に 使われた。古期英語ではデビルはdeofolと書かれ、「中傷(攻撃)に」diaballeinが語源であるようだ。

ヨーロッパ中世以降のデビル、デーモンは角、尾、二つに裂けた蹄などを持つので描かれた。

別の語源論として、「輝く」を意味するDivが語根のサンスクリット語からインド・ヨーロッパ語族に広く「神」としての意味をもち、バルトの神ディエバス、 英語のdivine(神の)にもみられる。ゾロアスター教ではアフリマンの支配化の悪魔めいた存在ともされた。悪魔学などではDevilも同じ語根を持つと考えられ、 かつて高みにいたものが堕ちたという立場をよくあらわしているともいう。 ここには「堕天使」(falling angel)の意味合いが強いだろうか。

デーモンとの混同はデーモンの語源が霊、ダイモンであり、悪のダイモンもいたせいか、 霊的な悪い存在がデビル、デーモンとなってしまったのはディアボロスとダイモンが分かれていたギリシャ時代以降、英語やゲルマン諸語などで混同される ようになったとの見方もある。

後代になるとデビル、デーモンは民話、説話などで魔物、悪い精霊的な役割をあてられるようになり、人間にだまされたり、やりこめられる立場の小物もいる。

形容詞的に、大食らいの動物や奇怪な生き物、魚を「デビル〜」と呼んだり、1800年代では奇怪な地形、砂嵐などの呼称にもデビルを使った(ダスト・デビル)。

"Talk of the Devil, and he's presently at your elbow" (悪魔の話をすると悪魔がやってくる)という諺は1666年の記録に見られるようだ。
*この手の表現は「噂をすれば影」(日本)、「曹操の話をすると曹操がやってくる」(中国)等各地にある。

 
関連項目一覧
悪魔 【文化地域項目】
サタン 【ユダヤ、キリスト教:悪魔、魔王】
ディアボロス 【ヨーロッパ:悪魔】
ヨーロッパ 【文化地域項目】
キリスト教 【大項目】

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