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フリーメイソン フリーメーソン Freemason >>関連項目一覧


フリーメイスンとも。ヨーロッパ中世以降からあるヨーロッパ系社会で最大の秘密結社といわれている。

秘密結社という呼ばれ方をするものには 中国の青幇(チンバン)などもあった。ただこれは政治・犯罪的秘密結社といえる。
あえて、このような組織を作る人間の思考・心理も対象になりうるとして本辞典に項目を設けた。
※フリーメイスン日本グランドロッジ公式サイトでは秘密結社に犯罪的意味合いがあるので「非公開団体」と呼んでほしいと書かれている。

国語辞典系の説明では 「18世紀初頭、イギリス、ロンドンで組織された国際的友愛団体で、 中世の石工組合を起源にするという。超人種的、超階級的、超国家的、相愛的な平和人道主義を奉じる、 一種のコスモポリタニズム運動」というこの種の辞典の説明では珍しくわかりにくい説明がされている。 百科辞典系でも「イギリスから始まった」という。これは現在の組織のあり方に変わった時期といえるだろうか。
後述を参照されたい。

フリーメイソンをとりあげたのは「入社的秘密結社」として、加入の際のイニシエーション、秘儀、密儀(位階上昇にもともなうという) の存在がいわれているからでもあるが、結社の存在の核心部分ともいえる「秘儀」については詳細はわからない。 「日本グランドロッジ」によれば 儀式の中にソロモン王など古代ユダヤ系の人物も登場するという。
近世ヨーロッパで現れた密儀宗教、秘密結社の多くに影響を与えているという。

ただし、フリーメイソンは会の存在、ロッジ(集会所)、会員がわかっている面もあり、また現代では慈善団体的な認知も多いようだ。 しかしイギリスの町サースクでは数十年前はビジネスをやるにはフリーメイソンに関係しないと難しかった、と語る人もいる。

フリーメイソン起源はいくつか説があるが有力らしいのが中世の石工職人組合(ギルド)起源説である。 ソロモン神殿建築家またはピラミッド建築石工集団説などもある。
「メイソン」=石工の意味。 フリーfreeの正確な起源は、はっきりしないという。一説では「フリー」はかつて石工が町から町へ仕事で「自由」に移動していたからだという。 ロッジに泊まるには決められた合図が必要だったという。 直角定規(真理)、コンパス(道徳)、神の目(プロビデンスprovidenceの目)が象徴につかわれている。 大建造物を作る石工職人の技術者集団は重要でギルドが形成されたという。 当初は「徒弟」「職人」「親方(マイスター)」の3位階だったという。後に複雑化したようだ。

16世紀末から石造建築の需要の減少などから石工でない人々が中心となる流れがあったようだ。
1645年には薔薇十字団員でもあった錬金術師のエリアス・アシュモールがロッジ内で薔薇十字の集会も行う権利を獲得したという。
1717年にはブリテン(イギリス)で「イギリスグランドロッジ」を結成。 この頃友愛主義、人道主義を標榜する結社に変容していたようである。

世界市民的な意識をもとに自由主義、個人主義、合理主義の立場にたち、宗教的には寛容を重んじて、 啓蒙思想の一翼を担ったといい、啓蒙専制君主の統治したドイツではかなり広く受け入れられた プロイセンのフリードリヒ2世、オーストリアのヨーゼフ2世も会員であったという。 しかし、カトリック教会の勢力の強いフランスなどでは危険思想として迫害され、秘密結社的にならざるをえなかった、という。

近世で派生した組織にイルミナティもある。

現代では世界で600万人、400万がアメリカ、イギリス75万、カナダとオーストラリア20万、日本2000人(日本人300人)いるという。

余談であるが鳩山総理大臣(2009年10月現在)の祖父、鳩山一郎もフリーメイソンだという。

参考資料
・「神秘学の本」(学研)
・「大辞泉」
・「日本大百科全書」
・「ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY」
・「やりすぎコージー やりすぎ都市伝説」(テレビ東京)


 
関連項目一覧
ヨーロッパ 【文化地域項目】
イルミナティ 【ヨーロッパ:秘密結社】

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