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メーデー(メイ・デイ) May Day 五月祭

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ヨーロッパの伝承。ヨーロッパの春の到来を祝う祭。
4月30日の夜からワルプルギスの夜、5月1日からメーデー、五月祭を祝う。 もとはケルトのお祭りだという。 スコットランド、アイルランドでは古くからの「ベルティナ」、ウェールズではカラン・マイの名で行われているようだ。

5月1日は不吉な日ともされ、働いてはいけない、パンを焼いたり亜麻をほぐすと日照りになるという。
このせいか、 現代では「国際労働日」である。世界の労働者が 大衆的示威運動で団結と連帯とを示す。アメリカ労働総同盟(AFL)の前身の合衆国カナダ職能労働組合連盟の 決定で、1886年5月1日シカゴを中心に約35万人の労働者が決行した、8時間労働制を要求する ゼネラル・ストライキが発端だという。

しかしながら5月1日に放牧を始める土地が多かったり、種播きによいともいう。農事の節目であるようだ。

主として北ヨーロッパ各地では魔女、悪霊よけのために、前日に火をたき、家、家畜小屋、畑に十字架をかく。

メイ・ポール(Maypole五月柱 モミ、トウヒ、シラカバなどの聖木)を立てたり、そのまわりで踊ったり、 遊戯や競技を催して祝う。(最近ではあまり踊らないとも) オーストリアの村では早朝から楽隊が出て祝儀をもらう。五月柱は競売されるという。

イギリス(ブリテン)では少女のなかから5月の女王(メイクイーン)を選ぶ。花の冠をかぶる。
5月1日の夜明け前の草露(May dew)は美と健康に良く、これで顔を洗うと美人になるといい、幸運になるともいう。

北欧スカンジナビアの「夏と冬が争って夏が勝つ」という伝承が、 イギリスのマン島で5月の女王と冬の女王が争う行事にみえるようだ。

男女が踊ったりするなかで愛がめばえたりしたようだが、 スイスの、花や草木に飾られた5月の花嫁・花婿選びは、1614年に教会から禁止された。 イギリスでは1644年に禁止。異教思想ととられたためだという。 そうしたことから年長者の行事が子供の行事にすり替えられたいう。(5月に子供の行事、という点で 日本の端午の節句・こどもの日と時期が重なるのはおもしろい)
人々はこの日、 上昇のエネルギーを招き、人間、家畜、作物の無病息災と豊饒を願った。 したがってこの日はフランスをはじめとして、愛にかかわる習俗も多いという。

日本では5月1日は国際労働日としての行事が行われるが、イベント的に五月祭の催しをするところもあるようだ。

参考資料
日本国語大辞典
・日本大百科全書 (執筆者: 小学館)
・ランダムハウス英和大辞典

 

関連項目一覧
ワルプルギス (4/30 ドイツ:魔女の集会、聖女)
ケルト (文化地域)
ヨーロッパ (文化地域)

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