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ヴァイキング バイキング Viking

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ビーキングとも。北欧、ゲルマンの歴史・伝承で、8世紀から 11世紀にかけて、北欧スカンジナビア半島やデンマークを根拠地として 、海上からヨーロッパ各地を侵攻した北方ゲルマン民族の通称とされる。
ノルマン人、デーン人などによりブリテン(イギリス)への遠征も 行われたが、ヴァイキングというのは民族や王朝勢力の名前ではないので、 ノルマンの一派、デーン(デンマーク)王子クヌートがイングランド全域を征服 してデーン朝を建てたが、 これはヴァイキングといっていいかわからないが歴史上の簡単な解釈では、 後述のノルマン人系の制服王朝はヴァイキングによるものと考えるようだ。
ちなみに1042年にアングロ‐サクソン人によってこのデーン朝は倒された。

このゲルマン民族の一派ノルマン人は航海術に長じ、 8世紀ごろからバイキングとして欧州各地に侵入。10世紀、前述のように 一部がノルマンディー地方に移住、 11世紀にイングランドを征服してノルマン朝を建てたり、地中海の両シチリア王国や、 ロシア方面のノブゴロド公国を建国した。

機動力と武力をもった集団が、安定した生活基盤をもたないためか、周辺への 略奪行為を文化習慣的に行うというのは 、ユーラシアの遊牧民族などが類似し、また両者とも規模が大きくなれば 征服者として移民・征服王朝を建国することもみられるが、 操船・航海に長けたというだけで、これだけのことをするのは簡単には比較できない。

ヴァイキングは、時に河を遡り、一部、舟を陸路で移動することもあった。
スラヴ・東欧からさらに東への行動範囲も広かったのか、インドや仏教に関連した 貨幣等も遺跡からみつかっているようである。

余談だが、日本では本やアニメ作品での『小さなバイキング ビッケ』が有名。
近年では北欧ゲルマンヴァイキングコミック『ヴィンランド・サガ』がある。
「バイキング(料理、形式)」は北欧由来であることは共通だが海賊的ヴァイキングとは関係ない。

参考資料
・日本大百科全書(小学館)
・大辞泉(JapanKnowledge)

 
関連項目一覧
北欧、ゲルマン (文化地域)
赤毛のエリク(のサガ) (サガ,物語)
ヴィンランド (土地,島)
海賊 (大項目)
クヌート (北欧,イギリス:王)
ワリヤーグ[ヴァリャーグ] (ビザンチン:ヴァイキング)

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