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ナタク、ナタ 哪吒 Nezha, na zha(標) >>関連項目一覧

(標)発音表記は標準話におけるものを参考までに記載。

ナタ太子とも。中国、道教の伝承、封神演義、西遊記に出てくる子供の姿の英雄、武神。民間信仰では厄払いの霊として崇められている。悪鬼を退治するために玉皇上帝につかわされたという。

名前の読みとしてはナタが日本語表記としては適当。ナタクは安能務氏版「封神演義」が初出のようだ。
中国語の発音としては「ナージャ」「ナ・ジャ」等。

西遊記では三面六臂(三頭六臂)で孫悟空と戦った。この時、「斬妖剣」、「砍妖刀」(かんようとう)、「縛妖索」、「降妖杵」、「綉逑」(しゅうきゅう)、火輪と多数の武器をもって戦った。

封神演義では、3年間という長期の妊娠後に生まれた異常な子供で、実は太乙真人の弟子が 霊珠となって生まれ変わったもの。肉塊に包まれ生まれてきたナタクは、生まれながらにして 宝貝(パオペエ)「乾坤圏」(けんこんけん)「混天綾」(こんてんりょう)を身につけていた。

過ちから竜王の太子を殺す、などいくつかの問題を起こした後、自ら死を選んだナタクは、太乙真人 によって蓮華の化身として蘇った。この時、宝貝「金磚」(きんせん、磚は瓦の意)、「風火輪」を与えられました。さらに「火尖槍」(かせんそう)、「九竜神火罩」(きゅうりゅうしんかとう)、 「陰陽剣」(おんみょうけん)等、数々の宝貝で戦い、太公望を助けた。

北京はナタの別名、中壇元帥の姿をかたどった設計になっているという。 北京は水質が悪い、つまり悪竜がいる。それに対し、ナタクは東海竜王の第三太子を殺したり、東海竜王を踏みつけ青蛇にするなど竜退治の実績があるので中壇元帥が北京を守るようにしたのだという。

余談だが日本のサブカルチャーではガンダムWのガンダムナタク、コミック・アニメ作品の「封神演義」におけるナタクのおかげで、 すっかりナタクがメジャーになってしまった。

参考資料
・封神演義(安能務:著)
・封神演義の世界 二階堂 善弘:著 大修館書店
・世界の神話百科 東洋編(原書房)
・封神演義(藤崎竜:著 ジャンプコミックス)
・その他 多くの封神演義関連書籍
・Truth In Fantasy X タオ(道教)の神々 新紀元社
・ガンダムW

 
関連項目一覧
中国 【文化地域項目】
仙人 【大項目】
宝貝(パオペエ) 【中国:物品、武器】
ザンヨウケン(斬妖剣) 【中国:武器:宝剣】

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