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セイオウボ 西王母 xi wang mu* >>関連項目一覧


*発音表記は標準話におけるものを参考までに記載。

中国の神話、伝承に出てくる女神。王母には「祖母」の意味もある。「山海経」の西山経では、 玉山に住み、人の姿で豹の尾、 虎の歯を持ち、動物のように吼える。ぼうぼうに乱れた髪に玉の勝(かんざし)をのせ、 天の氏iわざわい、災害)と五残を司るという。五残とは5つの刑で墨(いれずみ)、 鼻切り、足切り、宮(性器を処分)、太辟(たいへき。死刑)のこと。あるいは氏A五残は星の名だという説もある。

また、山海経の大荒西経ではカク(叡の下につちへん)山、海山がセイオウボの山だと記す。ここでは勝(かみかざり)を頭にのせ、虎の歯と豹の尾を持った人がいて、穴に住み、名をセイオウボという、とある。ある伝承では前漢の武帝が崑崙のセイオウボと共に飛車という空飛ぶ乗り物にのって蓬莱へ来たともいう。

「荘子」には少広山に住む仙人、「列子」では崑崙山で穆王と詩を詠みあう場面が出てくる。「史記」では穆王が名馬を駆って西に赴いた時、セイオウボに会い、楽しさのあまり帰るのを忘れたという。また、「西遊記」では瑶池の宮殿に住み、ソンゴクウが番をしていた仙桃園、蟠桃園はセイオウボのもので、3600本の桃の木があった。この桃は蟠桃といって3千年、6千年、9千年に一度なるという3種類があり、いずれも食べると仙人となり天地日月と共に滅びないという。

余談だが山海経の成立が紀元前300年頃、西遊記は紀元後1500年頃、明王朝の時代の小説。

 
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