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シータ sita >>関連項目一覧


シーターとも。インドの伝承、物語ラーマヤナにでてくる英雄ラーマの妻。 名前は「田のあぜ」また「鋤(すき)の先から生まれた」の意味。実はヴィシュヌ神の生まれ変わりである英雄ラーマの半身である。 ジャナカ王の娘、王女。天からおりた月のように美しいという。子供のいなかったジャナカ王が神に祈ると夢の中で土をたがたせ、とお告げがあり、 12頭の牛で国中の畑を耕しはじめた。その年の終わり頃、疲れ果てた王の足元の地面がぐらぐらゆれ、大地から後光がさし鋤の先から 赤子の泣き声がして、生まれたのがシータだった。妹ウルミーラが続いて生まれた。

シヴァ神が力と勇気を試すためジャナカ王の祖先に与えられた「神の弓ハラダヌ」をまげて弦をはれた者にシータを妻に与える、と知らせがあり、 ラーマはジャナカ王の宮殿を訪れ、八台の荷車でひいてようやく運べる重さのこの弓に弦をはるだけでなく、弓の両端をあわせ折ってしまった。 ジャナカ王の一族と同じ無双の力があることを認められラーマとシータは結婚した。妹のウルミーラもラーマと一緒にいた弟で第二王子のラクシュマナと結婚した。

しかしラーマ王子は国元で心根の良くない義母のカイケイー王妃のせいで王位につくはずが14年間追放され、王位もカイケイー妃の子、第三王子 バーラタが国を継ぐことになった。森の中へ追放になったラーマがついて来ないように行ってもシータは共にいくと言う。ラクシマナ夫妻も共に来た。

森にいる間、ラーマはスルパナカーという女の魔物(ラークシャシー)に言い寄られますが「シータがいる」ときっぱり言われて、スルパナカーはラーマののいない隙にシータを襲ったがラクシマナに阻まれる。スルパナカーは矢で鼻と耳を切り落とされてしまう。たくさんの家来で襲いかかったが戻ってきた ラーマに撃退される。

スルパナカーは兄のラークシャサ王ラーバナにあること無いこと訴え、ラーバナが出向く。シータをみたラーバナは一目で気に入り、シータからラーマとラクシュマナを引き離す計略をたてた。手下のマーリーチャに金色の鹿に化けさせ、シータの興味を引きラーマに捕らえに行かせる。ラーマに矢を射られ 正体を現したマーリーチャは声色でラーマの振りをしてラクシュマナを呼ぶ。シータに言われて、ラクシュマナは小屋の周りにまじないをかけて守り、ラーマの元へ向かった。

ラーバナは聖者に化けて水と食べ物を求めた。「飢えてのどが渇いた者に親切にしなかった一族ははずかしい目にあい、ひどい目にあう」と脅し、まじないの外へ出させてシータをさらった。

シータは囚われの身になり、さらわれたシータはラーマのことばかり祈り、ラーバナのどんな脅しにも屈っしなかった。

14年にわたるラーマやハヌマーン達とランカ島(スリランカ)の魔王ラーバナたちの戦いのすえラーマ達が勝利した。 インドでは「敵に捕らわれた者は、その間敵と仲良くしていなかった」という証をたてるため火を渡って無事でいられる、という方法で試さなければいけない。それでシータも火の上を歩いたが、火の方がよけ、衣が燃えることもなく証はたてられた。 ラーマとシータの二人は苦しみに打ち勝ったことを喜び、国に帰り、ラーマは王となった。

 
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