バルト地域はヨーロッパでも最後までキリスト教を受け入れなかった地域である。 バルト諸語(ウラル語族・フィン・ウゴル語派・バルト・フィン諸語)を話す民族はラトビア、リトアニア、プロイセン人など。 またバルト三国といえば、エストニア、ラトビア、リトアニアのことを指す。
バルト系語族は紀元前2000年紀にベラルーシ方面からネマン川と西ドビナ川流域へ移住してきたと考えられている。 紀元前500年頃のバルト海沿岸には北方にエストニア人、北ラトビア地域にリボニア民族(バルト=フィン系)、 南にラトビア民族、リトアニア民族(バルト=スラヴ系)が住んでいた。
5~8世紀にはスカンジナビア、スラヴ民族との行き来があり、8世紀末~11世紀半ばにはスウェーデン、 デンマークのヴァイキングなどが侵入、往来し、キリスト教も徐々に浸透し始める。
11~13世紀の十字軍時代には スウェーデン、デンマークのキリスト教布教と領土拡大の遠征があり、デンマークが征服地を売却し、 ラトビア、リトアニアがドイツの支配下になるが、母語を守る。また西方のプロイセンも同様にドイツ騎士団に征服された。
リトアニアは侵略を防ぎ12世紀半ばから13世紀に国家を統一、領土を拡げたがスラヴ民族が増え、公用語がベラルーシ語に なるなどロシア化が見られた。公式にキリスト教を受け入れてからはポルスカ(ポーランド)化の傾向があった。
17世紀以降、スウェーデン王国がバルト海地域で台頭。エストニア、ラトビアの一部を征服。しかしその後 ロシアに戦争で負け、 18世紀にはロシア領に。ラトビアも、リトアニアは分割され、ロシア領になる。
バルト神話の内容を伝えるものとしてラトビアの歌謡があげられる。神名の後の()はその名前が何語かを示す。 バルト諸語とスラヴ語にはかなりの共通性があるが、起源が同じか、長期間の隣接によるものか学説が分かれている。
参考資料
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関連項目一覧
アイ (エストニア:精霊)
ザルティス (リトアニア、プロイセン、レット:蛇)
ゼメス・マーテ (ラトビア:神)
ディエバス (リトアニア、ラトビア、プロイセン:神)
ライマ (ラトビア:女神)
ユウコ (エストニア:天空神)
ユミス (ラトビア:妖精:穀物)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary