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イヌイット・エスカリュート (エスキモー)の神話・民話 Inuit,Eskaleut >>関連項目一覧以前知られていた「エスキモー」Eskimo,Eskimaux(生肉を食べる輩の意)はアメリカ先住民族の アルゴンキン民族の言葉がヨーロッパ人に伝わったものというのが定説。現在は「イヌイット inuit」の名称が知られているが、 これはカナダ地域のイヌイットの自称「イヌック inuk」(人の意)の複数形である。(inukは単数絶対格。 単数関係格ではinûp 西グリーンランド地域) 本多一勝氏によれば「イヌア」がより人に近い意味でこちらを用いるべきだという。また、 グリーンランドやアラスカでは「イヌイット」と呼ばれることを嫌がるということである。 おそらくこの地域での自称がユッピック等であるためだと考えられる。 それぞれイヌック、ユックが「人」の意、ピアック、ピックが「本当の」の意である。 アーネスト・S・バーチJr氏の著作では、アリュートとエスキモーを総称した学術用語の エスカリュートをあげつつエスキモーを広義の総称にしている。イヌイットで総称される人々は エスカリュートの60%としている。詳細な説明は後にまわしたいが、北東アジアから北アメリカの 北極圏に住む先住民族の総称としてはエスカリュートがふさわしいとも思われる。 本辞典はそれらも考慮しながら、イヌイットを各民族を総合して呼ぶ呼称として使っているが、 当事者が望んでいる呼称、実際の事情などわかり次第改善していきたい。各民族について自称民族名をできるだけ載せていく。 1999年4月1日から、カナダではヌナブト準州という先住民族の自治州が誕生した。 ヌナブトは「我々の土地、大地」の意であるという。日本の約25倍の面積で、人口の85%が先住民族だという。 先住民族の人口は約2万3000人(当時)。このような動きは、無条件で全てが良いというつもりはないが、 過去の異民族間で行われた暴力や支配などの過ちに対して、前向きに取り組む素晴らしい事例であるといえる。 以下に各地域のイヌイットと自称民族名等を記す。
イヌイットの雪に関する言葉
「やわらかな雪」(「沈む、めりこむ」の語根) 「地面すれすれに風で運ばれる雪」(「床」の語根) の語がある。 参考:『西グリーンランド(エスキモー)語入門』 (久保義光:著)より aput 雪(on the ground 積雪) persoq 吹雪(雪嵐) (派生語?にperserpoq吹き流される[雪あらしで]) tiggúneq 塊 (積み重なった氷盤tiggunerit) tingivoq 飛び上がる、風で運ばれる L・シュナイデール氏の『フランス語=エスキモー語辞典』(カナダ・ケベック 1970)では「雪」の項目に 20以上の名称があがっているという。北極圏外になる南西アラスカのユッピック語でも少なくとも16種の名称が知られているという。 これらは語幹が別の名称であるという。 ・イヌイットの星座 ヌートイトック 動かぬ星の意(北極星) タクトゥルジュク カリブーの意 いうなればカリブー座(北斗七星) (バフィン島南東部ではカリブーは「トゥクトゥ」) 関連項目一覧
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