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フィリピンの神話・民話

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約7100の島々からなり、1番大きいルソン島、2番目のミンダナオ島で国土の約7割になる。 ここにセブ島を中心とした中部のピサヤ地区と、マニラ南方のタガログ地区の大きな島10を加えると 国土の95%となる。ほかにレイテ島などが知られる。

75言語あるといわれ主要8言語のいずれかを話す人口は約90%になる。タガログ地区方言から 人工語として公用語フィリピノ語(タガログ語)がつくられた。

南西にマレーシア、インドネシアが領する島がありここで2国と接する。 マレイ族などが渡ってきた。 ルソンで有名な棚田、ライステラスは2000年前からあるようだ。 9世紀以降、中国との交易がみられる。それまではダトゥ(首長)が治める数十~数百の戸規模の国 、バランガイ(帆船の意味)と呼ばれる集落で生活営まれていた。 ルソン中部のイフガオ族以外、シャーマンは女性だったという。

日本の戦国時代、鎖国前の江戸初期まで日本の船も多く行き来していた。スペイン統治の16世紀半ば前から、倭寇や日本人商人など黒潮にそった行き来があったようだ。
太閤秀吉がスペイン領フィリピン総督に使節を送ったこともある。
スペイン統治後も九州各地から日本船がマニラに入港。各地に日本人集落が出来、マニラのディラオ(現パコ)に1590年頃から日本人町ができ、1620年には人口約3000人という。
1614年に徳川幕府に追放されたキリシタン大名高山右近など100名の信者もマニラに来た。 マニラでは1630年に日本で処刑された日本人信者20数名を列聖する行事も挙行した。

フィリピンにはアラブ人マレー人から渡ってきて15、16世紀にホロ島のスールー王国、ミンダナオ島プラギ川流域のマギンダナオ王国と、イスラム国家がありムスリム(イスラム教徒)がいる。王国はスペイン統治下や、後のアメリカ統治下に消滅するが ムスリム住民は現在も居住する。スペイン側は「モロ」という北アフリカのムスリムに使った呼称を用いた。近現代、ミンダナオ中部のムスリムが「モロ民族」を自称しバンサモロ(モロの地)自治政府が2018年樹立している。

スールー王国から、スペイン領のマニラに、中国向け産品としてナマコ、真珠、蜜蝋などが輸出されたという。中国で乾燥ナマコの需要が増えたのは明清交代期の1600年頃以降という。

日清戦争後、台湾が日本統治下になり、フィリピンは日本の隣国となって、民間の行き来、フィリピン独立を目指す勢力とのやりとりなどもおきている。

第2次世界大戦では、3年間(1942年1月から終戦まで)フィリピンが日本統治下となる。また フィリピンはアジア最大の日本人50万人の死者がでている。戦後フィリピン政府推計のフィリピン人死者は111万人。日本は戦後1956年当時で8億ドルの賠償をした。1953年キリノ大統領は家族4人を戦争で亡くしているが日本人戦犯全員を恩赦した。

参考資料
フィリピンの民話(青土社)
フィリピンを知るための64章 (エリア・スタディーズ154)

 

関連項目一覧
アニト (神、精霊)
シエテ・フローレス (鳥)
チャチャ (戦いの神)
リノク (大地の神)
 
雷:チャゴ (豚、アニト)
 
隣国
 インドネシア(文化地域)

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