2010年のテレビ放送では人口800万人、1998年の資料では658万人、1973年の資料では360万人となっている。
元は漢民族以外をさす「夷(い)」が使われ夷人(イレン)、夷家(イチア)という漢語は漢代に西南夷と呼んで以来の古い名称 であるという。
自称については以下、グループにより様々である。
～ポ、のポは「人」の意味でポェパ(チベット)でも使われている言葉である。
ノ・ス (nɔ su 諾蘇 黒い人の意 カム高原東南端の四川省大凉山地区の最大集団)
(ノ・ソウno-sou 雲南省麗江専区小凉山の方言集団とあわせて人口140万人[1960年代])
ア・シ(「われら」の意 昆明東南方山地)
ニ(ni 雲南省路南県内 尾則村 アシの人々からはサニポと呼ばれた)
ニ・ス(ni-su 雲南省紅河ハニ族イ族自治州 *紅河(ハノイに流れるソンコイ河上流域)
ニ、ニ・ス(雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州江城ハニ族イ族自治県)
ニ、ニ・ス(雲南山地[哀牢山]*ベトナム・ラオス隣接地域)
ロロポ、ラロポ(昆明西方)
ピモ(畢摩)という巫師(シャーマン）がいたり神木的な精霊が宿る木を信仰する伝承がある。
祭事に、旧暦6月24日頃三日間おこなわれる「火把節」(松明祭り)がある。豊作を祈る祭りで、 由来は、昔、農作物に害を成す魔王がいたが村人たちは羊の角と後ろ脚に松明をつけた群れ による火攻めで倒したということによる。 妻問いのきっかけとなる男女の二隊が歌い踊りながら円をつくる。漢民族がチベットの男女の歌舞を「鍋莊」(グオチヨワン) と呼ぶものに含まれて考えられることもあるようだ。「鍋莊」は男女の結びつきと豊穣を象徴する宗教的行事であるともいう。
参考資料
・ 中国の少数民族 (村松一弥:著)
・ 中国少数民族のむかし話 (邱奎福:著)
・日本大百科全書 (小学館[執筆者:横山廣子])