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文殊菩薩 もんじゅぼさつ

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文殊師利菩薩 もんじゅしり。梵語マンジュシュリーManjushri,Manjusriの音訳 。漢訳すると妙徳、妙首。文殊は妙、師利は頭、徳、吉祥の意味。
「般若」(悟りの智慧)を体現する重要な菩薩。普賢菩薩とともに釈迦仏の脇侍(左側)をする。 大乗仏教の菩薩のなかでも観音菩薩などとともに広く知られる。
曼殊尸利、曼殊室利とも。

智恵と学問を人格化した偉大な菩薩。右手の剣は無知のベールを切り裂く智剣 、左手に蓮華と「知の完成」経典( 般若波羅密多経プラジュニャーパーラミーター・スートラ )を持ち、菩薩の理想と空(くう)の思想をあらわす。 あるいは蓮華座の上に経典、梵篋キョウがおかれる。 蓮華座(2つの蓮華台)につく姿が描かれる。脇侍としては獅子に乗る姿も

チベット仏教でも人気があり、文明を与えてくれた神として元日にお祝いする。 華厳経巻十二では東方金色世界の不動仏の弟子だという。

チベットでは対となる女神シャクティはサラスヴァティー(弁天)。
中国では、華厳経に住処っが東北方の清涼山とあり五台山がそれだとして聖地になっている。
中国では東晋時代(317-420年)、日本では平安時代以後信仰が盛んになった。
日本では「三人よれば文殊の智慧」のことわざが知られる (集まって考えれば補い合って良い思案がでることをいう)。

参考資料
ヴィジュアル版世界の神話百科 東洋編―エジプトからインド、中国まで
世界神話辞典 (アーサー・コッテル:著 左近司祥子他:訳 柏書房)[蔵]

世界宗教事典 (ヒネルズ:著 青土社)

 
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