幻想世界神話辞典 〜
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バステト Bastet Basted >>関連項目一覧古代エジプト神話の猫の女神。猫の頭をした人間、または猫の姿であらわされる。 下エジプトのある州の首都ブバスティス(バステトの館の意味)の地方神。 ふつうは人間を病気や邪悪な霊から守る慈愛にみちた女神。 もっとも重要なのは豊穣、性愛の女神で音楽とダンスを好む。 太陽神ラーの娘と考えられているが、妹や妻といわれることも。 後に創造神プタハの妻とされた。 アヌビス神を産んだのはネフティスではなくバステトだとする文献もいくつかあるという。 最初は家猫ではなく雌ライオンの女神で、太陽の暖かさと太陽神の眼の怒りの両方を象徴する存在だったが 紀元前BC1000年頃から猫または猫の頭の女性としてあらわされるようになった。 雌ライオンの姿の女神には別にセクメトがいるが、バステトもいくつかの物語ではセクメトの性質を 持ち続けている。 猫はバステトの聖なる動物として尊ばれ猫のミイラがバステトの神殿の聖なる場所に埋葬された。 またバステトを礼拝するブバスティス では共同墓地に猫のミイラも収められていた。 紀元前BC4世紀にはブバスティスでバステトのための豊穣の祭りが催された。 バステトの祭りのあいだはファラオたちの好んだスポーツである獅子狩りをするのは 不信心だとされた。 猫は家の中でも尊ばれていた。 当時の旅行家ヘロドトスは 「火事がおこった時、エジプト人たちは一列に並んで集まり、 火を消すより 猫のことを考えるが、猫たちは人々をすり抜けたり飛び越したり して火の中に飛び込む。人々はその死を大いに悼む… 猫が自然死した家の人は眉毛を剃る。犬が死んだところでは頭と全身が剃られる(主旨)」 などと記している。 参考資料 ・世界神話辞典 (アーサー・コッテル:著 原書房) ・ヴィジュアル版世界の神話百科東洋編 (原書房) 関連項目一覧
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