ヨーロッパ、アメリカ等で1800年代末頃から記録がみられる武器。
黒い皮で作られた警棒状の形の棍棒。バトンBaton。
また小さな革袋に粗い砂等を詰めて殴る武器。
サップsapという革製の棍棒より少し長いもの、と区分されることも
(サップというのはサッピングという叩くことから生まれたアメリカの俗語)。
流血させずに殴打で敵を制圧するような、殺傷目的でない武器。頭を殴る。長さは30cm-50cm。
棍棒のことはbilly clubともいう。または叩く意味のスナッパー等とも。
伝説をともなう武器、というものではないが、語源的な言葉の意味の持ち方の興味でとりあげた。
1500年代末には黒い皮製のビールジョッキ tar-coated leather jug for beerの記録が
あるようだ。黒い革製の道具がこう呼ばれることがあったのか。
字義通りなら意味は「黒い男」だがどうだろう。
手塚治虫氏の作品『ブラック・ジャック』単行本の折り返しの著者挨拶を引用してみたい。
"ブラック・ジャックとは金属製(昔は皮製だった)のコップのことですが、
海賊の旗─あのがい骨をぶっちがえたマーク─の意味もあります。
お金をふんだくり、荒っぽくメスで切りきざむというわけで、海賊に見立てたのです。
いわゆる「ブラック・ジャック」というトランプのゲームとは関係ありません。
"
TRPGなどでは、音をたてない武器、超近接武器として盗賊などが用いる武器として登場していた。
他、ヨーロッパの英語圏での人名、または北アメリカ先住民の人名などにこの語がみられる。 また前述しているがカードゲームの数字の21がうんぬんというブラックジャックも有名である。
参考資料
・
武器事典 (市川定春:著)
・
ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス)
・
アイテム・コレクション―ファンタジーRPGの武器・装備 (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)
他
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