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ザムシード(ジャムシード) Jamshīd

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ジャムシッドとも。イラン[ペルシャ]の神話伝承『シャー・ナーメ(王書)』に出てくる伝説の王。 名前のザムは大地の意味か。
綴りはJamsĕd、Jamsēdなどとも

『アヴェスタ』ではイマ Yimaの名で登場する。
現在でもペルセポリスは「タフテ・ジャムシード」(ジャムシードの王座)と呼ばれ偉大な王が偲ばれている。

ゾロアスター教の聖典『アヴェスタ』より後世の10-11世紀に成立した『王書』では イスラム教の時代になっているせいか宗教的な面が消され歴史、英雄叙事詩的な物語になっている ようだ。700年の在位。アヴェスタでは在位900年とも。「ジャムの千年紀」といわれる。

タフムーラス王の息子で、神より黄金の指輪と短剣を授けられ全世界を支配したという。 王国には寒風・熱風も吹かず、人々は不老不死でいかなる病気もなかった。 「王の中の王」とおばれた。

「ジャムの酒杯」というガラスの杯に未来を映し予言した。鉄や鉛の武器を作った。 司祭、戦士、農民、職人の4段階の身分制度を定めた。

治世300年で人や家畜が繁殖し大地に住む場所がなくなると、王は神の命で指輪により 大地を抑え短剣で穴をあけて祈ると地球は3分の1拡大した。600年、900年でも同じく拡大し 最初にくらべ国土は2倍になった。

また神の警告にょり地上に恐ろしい冬が訪れ大洪水がおこり全ての動植物が死滅すると知り、 ワラという巨大な洞窟を掘り、あらゆる種類の最も良い動植物の精液や種子、食物を保存し 男女の胤(たね)も含め黄金の指輪で封印した。大災害後に封印をとき地上に運び再び繁栄させた。

晩年のザムシードは自らの偉業を誇り尊大になり自らを創造主と呼ばせたので、神の光輪(神の恩寵) が消えて 弱体化し、そのすきにアラブの蛇王ザッハークが侵攻し王は追われて100年間流浪し シナの海岸でザッハークに捉えられノコギリで切り裂かれて死んだという。

なお日本ではゲーム作品『スーパーロボット大戦EX』他で、 この名をモチーフにした大地の精霊の魔装機神ザムジード が知られる。

参考資料
世界の神話がわかる 吉田敦彦:監修 日本文芸社
総解説 世界の神話伝説 自由国民社
世界宗教事典 (ヒネルズ:著 青土社)

 
関連項目一覧
ザッハーク (蛇王)
ザム (ゾロアスター教:神:ヤザタ)
イラン[ペルシャ] (文化地域)
英雄,王 (大項目)

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