イスラームの宗教行事。イスラム教で重要な五行のひとつサウム(断食)が行われる月。
イスラムの暦、ヒジュラ暦の第9の月。日没を1日の始まりとし、日の出から日没までの断食を1ヶ月行う。
日没から夜明けまでの飲食は許される。
2013年は7月10日の午前3時2分から断食がはじまった(日本 名古屋モスク関係者)。
なお北極圏では日の出/日没しない季節があり、白夜等のある北欧に住むイスラム教徒は、近くの地域 の時間を適用したり、適切なルールを模索しているようだ。
日本でも各地で新月の観測を行い、観測できない場合近隣国(マレーシア等)と連絡をもちラマダンの開始が決められる。 新月は月の出が日没の時間に近く2018年の場合、月の位置は日没までに観測できる位置ではなかったが観測することが 望ましいのだそうだ。
ヒジュラ暦は純粋な太陰暦で閏月がないため、西暦とは年間11日ほどずれていき、季節ともずれていく。
約33年で同じ季節にもどる。
夏の時期のラマダンは過酷だという。
なお、古代より断食は宗教的な、特別な行いとして世界で多くみられる。仏教やキリスト教でも一部みられる。
英語の朝食breakfastはBREAK(破る)+FAST(断食)[朝食は元来断食を破る食事]の意味である。
参考:ラマダン(西暦表示)
2018年05月16日-06月14日
2015年06月18日-
2013年07月09日-
2011年08月01日-
2009年08月22日-09月20日
2008年09月02日-10月01日
断食、飲食が禁じられるが例外もある。10歳ぐらいまでの子どもや妊婦、病人、高齢の老人、 旅行者、戦場の兵士もなども許される(免除されるものと違う時期に断食を行うものがある)。
禁じられるのは飲食だけでなく、喫煙、性交、つばを飲み込むこと等。
享楽などの欲求を絶つ修行としての行いらしい。
全世界のイスラム教徒で共有した体験をする特別な宗教行事である。
ラマダン明けのシャッワール月のついたちはイード・アル・フィトル(断食明け祭)が行われる。
(イード i'd はイスラム教の祝祭のこと)
毎日の日没後には夕食会、食事会が行われ、大勢で食事し、コミュニティの一体感が強まるようである。
参考資料
・
世界宗教事典 (ジョン・ヒネルズ著 青土社)
・
一冊でわかるイラストでわかる図解宗教史 (SEIBIDO MOOK)
・朝日新聞
他
関連項目一覧
イスラーム (文化地域)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary