シェラザードとも。『千一夜物語』(アラビアン・ナイト)で、シャーリヤル王に毎夜物語りをする大臣の娘。
名前の意味はペルシャ語で「都の解放者」。
古い訳ではシェヘラザッドSheherazadeとあるという。
これらはシルザッド(獅子から生まれた、の意)から派生したらしい。
妹のドゥニャザッドは「世界の解放者」の意味。
シェエラザッドは非常に賢く、博識のうえ、快活でやさしく、聡明で奇知に富んでいた。しつけもよかった。
「先王たちに関する書物や年代記や伝説に精通」
「古の人々についての物語、口碑、教訓を読んでいた」、詩人の作品も多く読みそらんじ、
哲学・科学・芸術なども
究めつくしていたという。
妃に浮気されて女性不信になったシャーリアル王が、毎夜、処女と寝床を共にし新鉢を割り、
明け方にはその娘を殺してしまう
ので、人々が苦しんでいた。
シェーラザードは父の大臣に進言し、多くの処女たちを救うため自分が王に嫁ぐ、といった。
大臣はやめさせようとするが、考えがあると言って父を説得した。
夜、王が一儀におよぼうとする前、妹に別れの挨拶がしたいと泣き、許しをえて妹も閨にやってくる。
シャーラザッドが王に処女を奪われた後、打ち合わせ通り、妹が寝れないのでお話ししてほしいと姉に言う。
王も寝れていなかったので横で話しに聞き入る。
明け方になりシャーラザッドの話が途中で中断してしまう。
王は「物語が終わるまで殺さないことにしよう」と独り言をいう。
このようにして第一夜はおわり、このあと千の物語が語られることになる。
余談だが、光文文学財団の日本ミステリー文学大賞の正賞には、シェラザード像(作・御正進)が贈られる。
参考資料
・
千夜一夜物語〈第4〉―バートン版 (1967年)
他
関連項目一覧
イスラーム 【文化地域】
女神、女傑 【大項目】
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