幻想世界神話辞典 〜
文化地域項目〜
大項目〜
リンク集〜
掲示板
〜
辞典TOP〜
ナッツ >>関連項目一覧 ナッともいう。ミャンマーの伝承における、精霊、守護神に類する超自然的存在の総称。タイやラオスにおけるピーと同じような存在。樹木に宿る精霊、土地神、村落等の守護神、英雄神など、37のナッツ神があるという。この中には仏教やヒンドゥー教の神も加えられている。パガン朝のアノーヤター王が、仏教の興隆をはかるため、人々が仏教を自然に受け入れられるようにと、従来から信じられていたナッツの木像をシェジェーン・パゴダの基壇に祀らせたり、36のナッツの上に最高位のタジャーミン(帝釈天)をおくなど、様々な策をほどこした。ナッツの木像は後に近くの小さな祠に移された。 ナッツの祭礼は、毎年8月のタンビョン祭など、ミャンマー各地で行われている。 ナッツ信仰の概念では現世で功徳を積んだ人は死後に須弥山のナッ国に行けると信じられている。この天国としてのナッ国では1日が現世の365日に相当しているので、長寿が約束されていると言う。 樹木に宿る精霊としてのナッツは、大きな木の、幹が二股に分かれたところなどに青白い人形を置いて供え物をする。 田の神としてのラマイン・ナッは狩猟の成功を祈るナッツで、また演芸を行うさいにも祈りを捧げられる守護神でもある。 家の守護神としてのナッは東南の方角にココナッツの実に赤い布を巻いてまつられている。これはミャンジャン平原のポパ山の、国の守護神としてのマハーギリー・ナッの御神体だとう。また、人間一人一人の生まれた年、月、日別に自分の守護ナッツが存在すると考える。 また歴史上の人物の英雄神としてのナッツに、シュエピン兄弟のナッ、ラ・シンジョウのナッ等がある。 その他、ミャンマーのカチン民族の神話にでてくるナット、チヌン・ワイ・シュンなどがある。 ナッツ信仰の巫女としてナッ・カドーがいる。 関連項目一覧
●このページのトップへ● (C) Copyright Masahiro Aibara |