テュルヴィングとも。ゲルマン、北欧の伝承に出てくる剣。オーディン神の後裔だというスヴァフルラーメという王が、ドヴァーリンとドゥリンという小人(ドヴェルグdvergr)に造らせた。
造らせた時の条件は、柄は黄金、切れ味は鉄も服と同じようにやすやす切り、決して錆びつかず、持ち主が誰であれ勝利をもたらす、というものだった。
半ば強制的に造らせたこの剣は、鞘から抜かれると人間の血に染まらなければ鞘におさまらなかった。切れ味はすばらしく、切り付けられたものはその日のうちに死んだという。
スヴァフルラーメ王は戦いで常に勝利したが、ドヴァーリンが「3度までは悪い望みをはたすがお前自身もそれによって死をうける」といって立ち去った言葉どおり、半ば巨人族に属するアルングリムと戦った時、テュルフィングの一撃を盾で受け止められ、滑って剣を手放した隙に奪われて自身の剣で刺し殺された。
その後も持ち主が変わるが、抜かれた時に人の血を吸わねばならないこの剣は多くの悲劇をおこした。
参考資料
・北欧神話と伝説 (グレンベック:著、山室 静:訳)
関連項目一覧
武器 【大項目】
ゲルマン、北欧 【文化地域】
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