幻想世界神話辞典 〜
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(トランプ) カード card[プレイングカード] >>関連項目一覧ヨーロッパで成立したゲーム。発祥については諸説あるが、直近の発祥は14世紀末期のイタリアであろうといわれる カードゲーム。現在では世界の多くの地域で遊ばれている。 なお日本語の呼称「トランプ(切り札の意味)」というのは明治時代、鹿鳴館などで外国人が遊んでいたときの切り札を使うときの 言葉をカードゲームそのものだと思って定着したらしい。昔はちゃんとカルタCarta(カード)と輸入できたのだがこの 頃は完全に忘れて「西洋かるたと訳してもよいが元の名前のトランプとよぼう」などと『西洋遊戯かるた使用法』(明治20年) に書かれているという。 ちなみに遊んでいたのはブリッジの前身のホイストが流行していたとのこと。 カード自体の起源は、中国起源説(棒→紙発明で細長いカード BC2世紀頃原型?) インド起源説(将棋[チャトランガ]などボードゲームが元になった)、 エジプト起源説(18世紀 カードの研究家クール・ド・ジェブランが唱えた 主にタロット) があり、古代中国、古代インドのものとヨーロッパのものでスーツなどの共通点がみられる。 しかしこれらは第二次世界大戦前の説で、それ以後の研究で諸説あるという。 あるいは有力説にロマ(ジプシー)が東洋からヨーロッパへ持ち込んだという。 直接のカードの発祥は14世紀後半イタリア発祥という説がある。 アジアからカードがヨーロッパに伝わったのは11世紀-13世紀と推定され、14世紀には確実にあったという。 現存する最古のカードは、フランス,パリの国立図書館所蔵のシャルル6世のために描かれたカード17枚(1392年のもの) だという。 ほかにイスラム教徒が文芸・娯楽とともに持ち込んだ、11世紀に遠征した十字軍の 兵士が持ち帰ったなど諸説ある。 トランプは4つスーツに各12枚-14枚のカードで 14枚×4の56枚(最古 タローの小アルカナ 数字1-10 絵札4種[王・女王・騎士・兵士]) 13枚×4の52枚(数字1-10 絵札の騎士が落ちて3枚[王・女王・兵士ジャック]) 12枚×4の48枚(数字1-9 絵札3枚[王・騎士・女従者ソータ]ポルトガル等) などの構成がある。 なお大アルカナの21枚にたす添え札の1枚がトランプではジョーカーとなった。 スーツの象徴は中世における社会階級を表す。マークの図案は違うことも。 剣 :♠スペード(スパーダspada イタリア語) 王侯・貴族 棍棒:♣クラブ 古いカードには棍棒に三つ葉があるものも 農民 聖杯:♥ハート 心臓が聖杯の代わりに 僧侶 貨幣:♦ダイヤ 貨幣の変形 商人 この上記のスーツはフランスのものの変形。 ドイツ どんぐり、葉、ハート、ベル フランス 剣、ハート、ダイヤモンド、棍棒 4つのマークを ケルト神話に結びつけたり、タロットも含めユダヤ神秘主義に結びつけたり するものもあるがよくわからない。 17世紀以降の神秘主義か現代のビジネス占い主義かもしれない。 タロー[タロット]はより古くからあり、占いに用いられたのは17世紀で元々は遊び用カードである。ただし 遊び方が現代まであまり伝わなかったので占いのイメージが強いようだ。 しかし1組78枚のタローは1組52枚のカードに遅れて同じく15世紀初頭の北イタリアでつくられたとも。 22枚の切り札・絵札(寓意絵21枚 1枚は添え札(ジョーカーになった) 大アルカナ)と前述した56枚の小アルカナの計78枚。 タロットやトランプの枚数 1組52枚 欧米型 1組108枚 カナスタ(52枚×2+ジョーカー4枚) 1組48枚 (イタリア、スペイン 数字が9+絵札3種 ) 1組40枚 (イタリア、スペイン) 1組32枚 ピケ(イギリス、フランス) 1組78枚 タロット 1組54枚 オーストリアン・タロット タロットカード、プレイングカードがヨーロッパを中心に広く知られている。タロットカードはもともとゲームだったのを 17世紀に神秘主義者たちが占いと結びつけたらしい。 カード型の道具は古くは棒(矢)の形から牌や板片状のものになり、紙の発明後、当初は手書き、 後に木版印刷などになったと思われる。 日本の「かるた(歌留多 カード)」は16世紀頃、南蛮貿易にともないポルトガル等からはいってきたので、花札なども同じ48枚構成である。 平安時代は二枚貝に同じ歌や絵を書いたものを伏せて、神経衰弱的にあわせる遊びがあった。 このようなカード遊びの原型になる遊びや道具があったうえでカード遊びに切り替わっていった面もあるだろう。 参考資料 ・ベストゲーム・カタログ (松田道弘:著 教養文庫) ・日本大百科全書 (執筆者:高木重朗 小学館) 他 関連項目一覧
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