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隕石 meteorite メテオライト >>関連項目一覧古来より、隕石は大小さまざま、世界各地に落下しており、古代から目撃されているようだ。 幸いなことにはっきり隕石による大災害を人間社会が被ったとわかる記録は少ないようだ。 隕石にはその組成がほぼ鉄の隕鉄や多く含むもの、含まないものがある。 隕鉄は質もよく、古代より剣などの材料にされたり伝説の武器となることもあったようだ。ロンギヌスの槍 は隕鉄であるという。チベットのある毘沙門天の仏像も隕鉄でできている。 日本では隕鉄で作った刀は流星刀といって王者にふさわしいとか。 実際の現象としては、地上100kmほどで流れ星としてみられ燃え尽きてしまうが、 もっと低い位置まできて燃え尽きるものを「火球」、ときに満月ほどまで明るくみえるもの(轟音をともなう)を 「大火球」、これが上空で砕けて「隕石雨」となったり隕石として落下したり、大隕石だと衝突によりクレーターができる。 空から石が降ってくるという認識はあったらしく、古代ローマのプリニウスの記述がある。 しばしば降ったとされ、その石は礼拝されたというので神聖視されたようだ。 大きなものは荷馬車1台分のものもあったという。 ユダヤの旧約聖書にも神が天から石を降らせて人が死ぬ記述がある(ヨシュア記) また、化石を神や巨人の骨が天から降ってきたのだ、と 伝承されているのは実際に石が降ることを踏まえての ことかもしれない。 また中国などにある雷が落ちて石になった「雷石」伝承は、隕石かもしれない。 火と衝撃音、破壊が起きるのはともに 共通するので古代の人たちが隕石と落雷(とくに晴天時の)の区別できなくても不思議ではない。 プリニウスの記述でも雷は星の火で、石が火となって雲におちてくるといっている。 神話伝承などで天からの火で都市が滅ぶような記述があるが、 クレーターを伴うような激しい衝突は、有史以来ではなさそうである。 代表的なクレーター跡としてはアメリカのアリゾナ州に直径1.2kmのものがある(5万年-2万5000年前のもの)。 直径100m以上の隕石だとクレーターができるという。 現在確認できるクレーターは地球上で100ぐらいあるという。古いものは地形の変化侵食で消えてしまい残らないという。 ユカタン半島のへりは6500万年前、恐竜絶滅の原因となるほどの惑星規模の大災害をもたらした 隕石落下のクレーター跡の一部だという。これは直径10km程度のものだったとされる。 ひょっとしたらソドムやゴモラは衝撃波と爆風による火災でもあったのだろうかという想像はできる。 ※「火と硫黄の雨で滅びた」とあるのは火山的なものなのか、あるいは隕石雨か。現在水没している都市跡 の隕石の 有無を確認してもらいたい。 また伝承で「夜に太陽がみえた」「太陽が複数みえた」「月が二つ、三つみえた」というようなものがあるが 天候のみせかけでなければ、大火球であったかもしれない。 メディアや写真、映像記録の進歩した近現代でも1908年6月30日のツングースカ大爆発が知りうる最大規模だろうか。 直径50m程度の隕石らしいが、 太陽より明るく輝くものが落下し、多くの木をなぎたおした。1000kmはなれた場所でも爆発音が聞こえたという。 爆風による熱で東京都と同じくらいの広さが焼失した。 2013年2月にロシアで直径17m程度の隕石による衝撃波などで1200人以上が負傷する最大の人的被害がでた。 これは侵入角度が浅かったため被害が広い範囲に及んだという。 隕石自体の辞書的説明は、 宇宙空間の鉄や珪素などでできた小天体が、惑星や衛星に落下したものをいう。 成分比により石質隕石・石鉄隕石・隕鉄にわけられる。隕星。ほしいし、とも。 参考資料 ・ プリニウスの博物誌 全3巻(雄山閣) ・すい星・流れ星 (藤井旭:著 金の星社) ・日本大百科全書 (執筆者: 小学館) 他 関連項目一覧
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