2019年8月22日に第1刷発行のこの本。表紙のカバー画は、「ジョン・コリア《グウィネヴィア王妃(アーサー王の妻)の五月祭の祝い》(1900年)」と説明書きがある。
このサイトの筆者は、2020年前後は、世界の神話等を扱った書籍が増えた、新しく出版された時期ではないかと思っている。そこでこの本を紹介してみたい。
著者の沖田瑞穂氏は、吉田敦彦氏が師と、あとがき謝辞で書いている。著者紹介文では、インド神話が専門とある。この本も最初の項目が「インド神話」である。 好きな神はドゥルガー女神とのこと、これもインド神話。他の著書にマハーバーラタ(古代インド叙事詩)関連のものが幾つかある。
'中学生の頃、吉田敦彦先生の本を読んで「こういう本を書く人になりたい」'と思われたそうである。
この本も新書版でコンパクトに持ち運べ、約240ページほどの中に世界各地の神話について書かれている。
大まかに内容を書き出すと、
インド神話、メソポタミアと周辺の神話(旧約聖書含む)、エジプト・アフリカの神話、
ギリシア神話、ケルト神話、北欧神話、インドネシアの神話、中国の神話、オセアニアの神話、中南米、北米の神話、付録・古事記、となる。
目次をみればもう少し詳しい内容が書かれている。
インドネシア神話があるのが珍しいが、沖田氏は比較神話も専門なので、ハイヌウェレ型神話を紹介したかったのかもしれない。
巻末には、参考文献がきちんと載っているので、さらに詳しく知りたい場合など、書名がすぐにわかり便利、親切。
私も、中学生の時にふれた神話の世界が、この神話辞典サイトの淵源となっている。初めて神話に触れる方々にもわかりやすい内容であり、入門的な本としてよいと思う。
参考資料
・『世界の神話』沖田瑞穂:著 岩波ジュニア新書
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary