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カメハメハ大王 Kamehameha the Great (かめはめは)

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カ・メハメハ。カメハメハ一世(生没1737?-1819年) King Kamehameha I。 メハメハは「静けさ、孤独、唯一つの、寂しい」といった意味らしい。「カ」は人で、 ハワイ語「カメハメハ」は静かな人、孤独な人という意味になるようだ。
生まれたとき空に大彗星が現れたという(1758年11月か12月説 1737年説など諸説)。

ポリネシア民族系の、ハワイ Hawaiiの王(在位1810-1819)。ハワイ諸島をはじめて統一した大王。 王朝は外国勢力の進出により衰退し1898年、アメリカに併合されて消滅。
(ハワイ全体で、1778年頃は推定人口30万人、純粋のハワイ人は1930年代には7万人、現在では1万人とも)

ハワイ島コハラの首長の家系の出身。カラニオプ・ウ大首長の甥。 (カラニオプウはキャプテン・クックが1778年に来島した頃もっとも勢力が強かったという)

カメハメハ1世の階級はWohi。上にPi*o、Niau-Pi*o、Nahaの階級がある。

カメハメハ1世はある時ペレ女神に助けられたという。

1782年カラニオプウ首長の死後、内戦状態となったハワイ島をカメハメハは平定。1795年2月までには マウイ、ラナイ、モロカイの各島を支配下にした。

1795年2月のオアフ島での勝利で諸島支配を決定的なものとし、その後「ハワイ王にオレはなった!」というカンジになり、 最後の2島を1810年に服属させ諸島統一が達成された。

カメハメハの勝利は、強力なリーダーシップと、火器を含むヨーロッパ人の助力による。
自らは絶対君主として君臨し、各島には知事を置いた。伝統的宗教制度を保持しながら、 平民を首長の恣意的支配から保護する法律を制定、人身供犠を禁止するなど改革もしつつ、秩序を維持しようとした。
経済では、儲けの大きい白檀(びゃくだん)貿易の王国独占、港湾税の徴収で、財源を確保した。

カメハメハ1世が亡くなった日(1819年5月7日)、海が赤くなった(偉い人が亡くなる前兆だという)。 これはアウェオウェオという赤い魚がたくさん集まるのでたくさんの死体だと考えられた。

カメハメハ1世の頃はヨーロッパ文明流入の中、なんとか伝統文化が保たれていたが、 その後は、急激な文化変容・社会変動、病気による人口減少、移民の増加など多くの問題を抱え、 王国の統治は難航したという。
大王の孫、カメハメハ5世(生没?-1872)をもって直系は絶え、傍系に王位継承されたが1898年アメリカに併合され王朝は消滅した。

カメハメハ2世(リホリホ王 生没1796-1824)は、カメハメハ1世の複数の妻の中で最も「神聖な妻」の子で、生まれながらに神と呼ばれ父からも神として 扱われた。
父王が死後即位(実権は父王の妻カ・アフマヌが握る)し、1820年ハワイ島カイルア・コナからオアフ島ホノルルに首都移転。 本格的なキリスト教伝来、捕鯨船の寄港、海外からの伝染病で死者多数、カ・アフマヌによるカプ制度の廃止など激動の時代。 経済は発展するも、商売に慣れないアリイ(首長)たちが負債かかえる。カメハメハ2世国を治めるために学ぼうとイギリスへ渡るが 麻疹で亡くなる。

(プランテーション業者のほとんどがアメリカ人であり、アメリカの影響力強まる。
1893年に女王リリウオカラニLiliuokalani(1838-1917 在位1891-1893)が武力で退位させられ、 サンフォード・ドールSanford B. Dole(1844-1926)が大統領となりハワイ共和国臨時政府が成立。
アメリカ・スペイン戦争(1898)の勝利もあり、ハワイ諸島を併合。1900年に準州に)

日本では童謡『南の島のハメハメハ大王』を連想するかもしれないが島民すべて同じ名前の架空の南の島の大王。
南の島は風がふいたら遅刻、雨が降ったら休みが許されるという羨望の内容である。

余談だがコミック・アニメ作品『ドラゴンボール』の技名「かめはめ波」が知られる。
コミック・アニメ作品『キン肉マン』で主人公の師匠プリンス・カメハメはハワイ超人ヘビー級チャンピオン。 キン肉マングレートも名乗る。

参考資料
ALOHA!ハワイ語 神話編―フラとハワイを愛する人々へ (素敵なフラスタイル選書)
・日本大百科全書 (執筆者:山本真鳥 小学館)
・ランダムハウス英和大辞典

 

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ポリネシア (文化地域)

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