あまのぬほこ。あまのさかほこ。天之瓊矛、天之逆鉾とも。日本の神話伝承に出てくる矛。
戦うための武器・武具ではない。
天の逆鉾(あまのさかほこ)は後世の呼び名。
日本神話で、伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)の二神が国産みに用いたという、玉で飾った矛。
日本書紀の冒頭、国生み神話において、天つ神が、伊奘諾尊(いざなぎのみこと)・
伊奘冉尊(いざなみのみこと)に
豊葦原の豊かに稲穂の実る国があるから二人が治めるべき」といわれ
天瓊矛をもらった。二柱の神は天の浮き橋にたって
矛でさぐって土地を探し、青海原をかき回して引き上げるとしたたり落ちた潮がかたまって島となった。
オノゴロ島、磤馭慮島(おのころしま)[紀]、淤能碁呂島(おのごろじま)[記]
と名づけられた。
島に降りて大きな御殿を造り天に届く柱をたてた。
上記は伝承のひとつで、他には玉飾りの矛で海をかきまぜ、島を得た、
島を造ったというものもある。
天之逆鉾については、海中をかき回すのに柄を使って矛先を天に向けたので
(通常とは逆さなので)「天之逆鉾」なのだという。
一説では矛はその後二柱の神から大国主神(おおくにぬしのかみ)に渡され、国土を平定したという。
さらに邇邇芸命(ににぎのみこと)に渡され国家平定に役立ったらしい。
伝説では邇邇芸命が地上に降臨したとき、霧島の高千穂峰(鹿児島県・宮崎県)の山頂に矛
を突き刺し、天下の平定と、二度と矛が使われることが
ないように祈ったという。
坂本龍馬とおりょうが日本初の新婚旅行といわれる旅行で訪れた高千穂峰にあるご神体が
「天之逆鉾」と呼ばれ祀られている。
これは後世に作り直されたものだという。龍馬はこの逆鉾を引き抜いたという。
参考文献・出典
・
日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)
・
伝説の「武器・防具」がよくわかる本 (PHP文庫)
・
RPG幻想事典
・大辞泉 (JapanKnowledge)
他
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary