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ホウベン 方便 ほうべん >>関連項目一覧インド、仏教の言葉。サンスクリット語(梵語)ウパーヤupayaの漢訳。 「近づく」「到達する」の意味。仏語。人を仏教、真実の教えに導くため、理解できるように仮にとる便宜的な手段。 日本では転じて「ウソも方便」などと使われたり、良い意味でない場合もある。 (嘘も方便:嘘は罪悪ではあるが、よい結果を得る手段として時には必要であるということ) (目的に対して利用される便宜的な手段、過渡的な方法) より詳しくいうと、仏教の教えや実践、理解するのが難しいため、人々を教え導いて、 仏教に親しみ、仏教の本旨に到達させるために考案された巧みな手段のことをいう。 各経典には必ず「この経典が第一である」という言葉があるが、それは段階的に人々に教えを説いた仮の教え、方便の教えであった からで、次の段階教えを説く時に前の教えを否定している。釈迦一代の教えは時系列で方便になっている。 ただし、それは重要な部分であって、全てが正しくないというわけではない。 とくに仏教が民衆化した大乗仏教において、さまざまな方便が語られ、大乗仏教経典は「方便品」を 設けている例がる。とくに「法華経」の方便品は有名。 密教は方便を究竟(くきよう[最高])とする。 方便が非常に重要視されて、六波羅蜜(ろっぱらみつ、ろくはらみつ)に次いで方便波羅蜜がたてられることもあるという。 また中国仏教では、方便のあり方を種々に分類する。 なお日本語では「方便」の語は「たずき(方便、活計)」とも読まれ、 「手(た)付(つ)き」の意味で「生活の手段、生計」「事をなすためのよりどころ、たより、よるべ」 のことをいう。 参考文献 ・日本大百科全書 (執筆者:三枝充悳 小学館) ・大辞泉 (JapanKnowledge) 関連項目一覧
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