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ジンツウリキ じんつうりき 神通力 >>関連項目一覧


じんずうりき、とも。日本の伝承。超人的な能力。通力(つうりき)、神力とも。 現代的にいえば超能力といえるだろうか。「天狗の神通力」など。

もとは仏教、仏典の言葉。またインドの考え方が仏教に入り、中国で訳された言葉。神通之力(じんつうしりき)とも。 サンスクリット語のアビジュニャーabhijなどの訳語だという。
インドの霊鷲山には500人の持明仙というマントラ(真言)を誦呪(じゅじゅ)し、神通力を得た仙人住んでいたという。 古代インドでは、苦行などにより高い境地に達した修行者は超自然的な能力を発現すると考えられた。

仏教では仏、菩薩、諸天が有する不可思議、自在無礙の力。
また禅定、三昧により神通力を得るといい、六つの神通力(六神通、六通)があるという。 仙人や苦行者も持つ五神通(五通)
神足(じんそく)
天眼(てんげん)
天耳(てんに)
他心[智]通(たしん[ち]つう)-他人の考えていることを知る能力
宿命[智]通(しゅくめい[ち]つう)-過去のできごとを知る能力
加えて、仏や阿羅漢のみ得るひとつを加えて六通
漏尽通(ろじんつう)-煩悩をとり去ってもはや迷いのない智恵

釈迦(仏陀)は一般に五通を悟りに関係がないとして否認した。

釈迦(シャカ)の十大弟子の一人、目連(もくれん)は神通第一といわれた。 その神通力を使い、死後の母親が苦しむ姿を見通し、飢えに苦しんでいるところへ食べ物を送るが火に変わり、 水を送れば薪に変わった。釈迦に従い仏法での供養で母、青提女(しょうだいにょ)が救われたという。これがお盆(盂蘭盆会)の元になったという。

仏教では方便(教えを理解させるための仮の方法)として神通力を説くことがあっても、目連の例からも仏教によった行動の必要性を重視する。 または、転じて仏菩薩が人を救うことこそが「神通力」だとも。

 
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