ぢざう。日本の伝承、信仰。仏教で信仰される菩薩。密教の影響が強く、 本来信仰の対象ではない菩薩が仏と同様な扱いを受けている。梵語ではクシティ・ガルバ Kssubdotitigarbha。
仏の世に住み、六道の衆生を教え導くことを誓いとした菩薩。全ての衆生を救う誓願の
ためか大衆に人気があったようだ。
中国では唐末頃から、日本では平安中期から盛んに信仰された。
像は慈愛に満ちた円満柔和な僧形に作り、多くは右手に錫杖、左手に宝珠を持つ。
中国での影響か、道教の十王思想との習合等により閻魔との同一視があるようだ。
「地蔵と閻魔は一」と言われる場合、共に阿弥陀仏の分身であるともいう、が仏教的には
正しくない。
中国では九華山が仙境ともいわれ、地蔵菩薩信仰の中心地。現在も700人以上の僧侶がいる。
地獄に落ちたものも救うとして信仰を集めている。
石仏が多く作られ、道祖神との習合がみられる。柔和な丸顔は「地蔵顔」ともいわれる。
子供を守るとの伝承が強く持ち出され、子安地蔵などともいわれるものもある。
また身近さなどのせいかお地蔵さん、お地蔵様、と親しまれている。「かさこ地蔵」の民話や、
とげぬき地蔵等、様々な地蔵が各地にある。
方言 ぢろう・ぢどう・ちどう(伊賀) ぢんぢょこ(青森) ずぞー(島根) ぢじょ(秋田県鹿角)
参考資料
・
日本国語大辞典 〔精選版〕 1
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・日本大百科全書 (執筆者:上田正昭 小学館)
他
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