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ジュゲム ジュゲム 寿限無 寿限無  じゅげむ じゅげむ >>関連項目一覧


日本の伝承を元にした落語の「寿限無」(上方では「長命の倅[せがれ]」とも)が有名。
「寿限無」は仏教経典「無量寿経」の無量寿から思いついた言葉と説明されている。「寿命が限りない」の意味。

落語の前座咄としての物語は、非常に長い名前をつけたことでの、繰り返しの面白さや、それによっておこる結果をユーモア、笑い話にしたもの。
子供の幸福を願い、寺の住職、和尚にいろいろと聞き書いてもらった名前を全部つけて、 「寿限無寿限無」に始まる長い名前となったおかしさを主題としている。
仏教その他に由来のある、おめでたい言葉を説明しながらの物語はうんちく語りとしても面白い。
神話伝承的には、そのような言葉を使った伝承モチーフ2次創作といえるか、あるいは民話の類話、再話といえるだろうか。
成立が江戸時代、1700年前後ともいわれる。

名前の全部と説明は、落語家によって多少違いがあるようだ。以下、名前とその解説。
じゅげむ、じゅげむ
ごこうのすりきれ(ず)
かいじゃりすいぎょの
すいぎょうまつ、うんぎょうまつ、ふうらいまつ
くうねるところにすむところ
やぶらこうじのぶらこうじ
パイポパイポ、パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの
長久命の長助


寿限無寿限無、五劫のすり切れ(ず)
海砂利水魚の
水行末、雲行末、風来末、
食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、
パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの
長久命の長助


以下、数限りない、はてしないということで「めでたい」とした言葉の意味。 ・寿限無 ことぶき限り無し 死ぬことがない
・五劫のすり切れず 「劫」は長い時間の単位
 落語中では、仏典の長さの喩え「三千年に一度降りてくる天女が巌を衣でなでて、岩がすりへりなくなるまでの時間」が一劫と。 ・海砂利、水魚 数え切れないもの。仏教では「恒河沙」(ガンジス河の砂)などで数え切れない数を喩えたりする。
・水行末、雲行末、風来末 それぞれ、ゆくすえはてしない
・食う寝るところに住むところ 衣食住のどれが欠けても困ることから
・やぶら小路のぶら小路 藪柑子(やぶこうじ)という強い木
 春若葉を生じ、夏に花開き、秋に実を結び、冬雪をしのぶ、ありがたい木だという
・パイポは唐土(もろこし 中国)の国[架空]で、続く名前は王様、お妃。
 その姫2人、ポンポコピーとポンポコナが大変長命だったという話
・長久命 長久、長命、ともに長生きをあらわすことばをひとつに
・長助 男の子なので「長く助ける」で、と。長介とも。


参考資料
・けっさく笑いばなし集(矢野誠一:著 集英社)
・日本大百科事典(小学館)
・大辞泉(JapanKnowledge)

 
関連項目一覧
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