日本の伝承、古代の裁判、神判。日本書紀にみられ、また大和朝廷時代から続くという甘樫坐(あまかしにいます)神社 では一年に一度神事として、「くがたち(盟神探湯)」を再現する。「探湯」のみでも「くかたち」とも読む。
熱湯に手を入れさせ火傷の有無で罪を判定する。火にかけて沸き立つ湯に手を入れて
ただれたものが罪がある、とする。
室町時代には同様のものが「湯起請」(ゆぎしょう)と呼ばれ行われたようだ。
6代将軍足利義教(よしのり)がよく用いたらしい。犯人探しや村々の争いの解決を行った。
江戸期には「鉄火起請」(てっかぎしょう)という熱した、焼いた鉄を手にもつ神判が行われていた。 双方争う場合、火傷の度合いで正邪を判ずる。
起請とは、神仏に呼びかけて、もし自己の言が偽りならば、神仏の罰を受くべきことを誓約 することをいい、これを記した文書を起請文という。 起請文は平安後期からみられたようで、神判の際にもあった。 中世では各種の場合に用いられ、ことに裁判の証拠方法上、主要な意味をもっていた。しかし 江戸時代には形式化したという。
このような、人間以上の存在(神等)に判断してもらう形の裁判のようになものを、 用語として「神判(しんぱん)」という。世界各地に、古代から中世、魔女裁判や近世の拷問の ようなものまでみられる。
参考資料
・日本大百科全書 (小学館)
・知る楽 裁判員制度への道 (NHK)
・タイムスクープハンター (NHK)
他
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary