日本の歴史、伝承の刀、太刀(たち)。源頼政(みなもとのよりまさ)(生没1104-1180年)の佩いた大太刀。
由来は、近衛天皇(在位1141-1155年)の御代に、洛中を騒がせた物の怪、
怪物ヌエ(鵺)を一矢で仕留めた
恩賞として下賜されたという大太刀。
刃長三尺五寸五分(約106.5cm、反り一分(約0.3cm)。腰反りといわれる形のもの。平安中期の
毛抜形太刀に見られる。馬上からの敵への斬撃を考えられていたようだ。
源頼政は、平治の乱に勝った平家の隆盛の時代、なんとか貴族の末席に連なっていた源氏、 摂津源氏の長。
平清盛と敵対した後白河法皇の第二皇子、以仁(もちひと)王を奉じ、頼政76歳の時、
治承四年(1180年)4月28日、平家打倒の挙兵。
この時、源頼政が佩いていたのが「獅子王」である。
大太刀の重装備で敵に望んだが頼政は破れ、自刃。当時の黒漆太刀拵のまま、同族、 土岐家が守り伝え、明治天皇に献上され 皇室の御剣となった。
「獅子王」(師子王とも)という言葉は仏教経典などでも良く使われる言葉であるので
別項目で説明したい。
また源氏の重代の名刀「鬼切」が「獅子の子」とよばれた時期もあった。
参考資料
・
名刀 その由来と伝説 (牧秀彦:著 光文社新書)
他
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