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ヴェーターラ vetāla vetala >>関連項目一覧ヴェターラ、ベータラとも。屍骸に憑く鬼神。死体に憑いて活動させるという。 死体を起こす呪法もヴェーターラといわれる。密教経典に多くみられるというが、 それ以前の仏教経典にもでてくる。 漢訳仏典では起尸鬼(きしき)、起屍鬼、起死尸、起死屍鬼、起屍、屍鬼などと訳されている。音写では 毘陀羅(びだら)、毘多茶(びただ vetāda)、aB8;陀路婆(びだろば)、迷怛羅(めいたら)など。 またヒンドゥー教文献では頻度は少ないが「ハリヴァンシャ」にみられプラーナ聖典でも鬼神の種類としてでてくる。 シヴァ神との関連もみられ、後代のカシミールのシヴァ派諸文献ではシヴァの眷属のひとつという。 仏教起源説もあるが、古代インド土俗信仰から、仏教、シヴァ教、タントラ教に取り入れられたとする説もある。 また仏殿などの赤塗りの石の上に座り、人が死体を焼きにくると突然現れ、死体にくしゃみ、あくび、笑うなどさせるという。 ヴェーターラ呪法については5,6c世紀のヴァラーハミヒラの百科全書的占星術書「プリハット・サンヒター」の中で 呪文マントラmantraの助けで死体を再び起き上がらせるのだという。呪法ヴェターリーヤvetāliyaが誤って行われた 場合呪法を行っている行者自身が滅びるという。 「屍鬼二十五話」(vetālapañcavimśatikā)の最後では、まさにこの理由で行者クシャーンティシーラが死ぬ。 参考資料 ・妖怪《世界編》入門(水木しげる:著 小学館) ・屍鬼二十五話(ソーマデーヴァ:著 上村勝彦:訳 平凡社) ・チベットの屍鬼の説話(梶濱亮俊:著) 関連項目一覧
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