バアルとも。カナーン(フェニキア)人の戦士の神。古代シリア、パレスチナ地方で信奉されていた。
また、ウガリット人の記録にでてくる中心的存在。バールはセム語で「主」の意。
カナアン人の植民地カルタゴでも信仰されていた。カルタゴの名将ハンニバルの名は「バアルの恵み」という意味。
穀物神ダゴンの、またはウガリット人の主神エルの息子。妻は戦争の女神アシュトレト(バビロニアの女神イシュタルと同格)、 娘にミスト(霧)、デュー(露)がいる。
バールは妻であるアシュトレト、またはアナトのエルへの追従によって、北の方角(※聖なる方角)のサフォン山に家を たてることを許された。
雨を降らし植物に生命を与える豊穣の神。バールは乾燥と死の神モートなどの敵を打ち破ったが、 モートに対する短期間の服従が地上に旱魃をもたらした。 バールの雨神としての復活は大地の肥沃を取り戻した。
ウガリットでのバアルはヤム神をコシャル・ハシスの造った棍棒によって打ち負かす。 またコシャル・ハシスに宮殿を造らせた。
なお、ときおりニュース等で「バールのようなもの」という言葉を見聞きするが、バール神とは、ほぼ関係無い。
アスタルテ | 【カナーン:女神】 |
イシュタル | 【バビロニア:女神】 |
エル | 【カナーン、ヘブライ:神】 |
カナーン | 【文化地域項目】 |
モート | 【カナン、ウガリット:神:死】 |
コシャル・ハシス | 【ウガリット:技術神,武器神】 |
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