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バベルの塔 Babel >>関連項目一覧


ユダヤ神話の旧約聖書・創世記に出てくる。バベルbabelはアッカド語で「神の門」(bab=門、el=神)、 ヘブライ語ではバビロンになるが同じく神の門のこと。 一説ではバビロン市の中央にあった7層からなるジッグラト、エ・テメン・アン・キ(天と地の基礎の家の意)がモデルになったとも言われる。 このジッグラトは基礎が91m四方。最上階で24x21の広さがあり高さも90mはあったと考えられている。

創世記の記述では世界の全ての人々が同じ言語を持ち、同じ言語で会話していたと伝える。 その人々がシナルの地に平野を見つけそこへ住み、この地で塔を建てた。一説では、この塔の建設には40年以上かかり、 頂上まで登るのに1年かかったと言う。建設中、人間が誤って転落するより、再度運ばなければならない煉瓦の落下に騒いだとも言われる。

ラビ伝承によるとニムロデの指揮で多くの民族が協力して建設を始めた。塔は「自分たちの名声を高め、 そこを中心にして人々が大地の上で散り散りにならないように」するための物だったが、 ニムロデには「天の神に戦いを挑む」という本当の目的があった。そのため彼らは手に剣を持ち、天を威嚇する像を塔の頂上に建てた。

神ヤーヴェは同じ言語を持った一つの民が最初に始めたこの仕事を見、彼らのやる事に不可能はないと 考え言語を混乱させ言葉が通じないようにした。さらに地上のあちこちに人間を分散させたので、 都市は放棄された。そのため都市の名を「乱れ(バベル)」と呼んだ。そこでヤーヴェが言語を乱し(バーラル)したからだと言う。

ここでバベルとバーラルの語呂合わせがあるように、バビロンのジッグラトについて見聞きしたユダヤの人々の 「大権力=大建造物」的なあり方に批判をこめた説話、という説もある。

かのアレクサンドロス(アレキサンダー)大王が 廃都バビロンを占領した時、バベルの塔を再建し、世界帝国の首都として再興しようと考えたが実現しないまま没した。 計画では崩壊した塔の煉瓦を取り除くだけで1万人の労働者で2ヶ月かかるほどだったと言う。



余談だが横山光輝氏の作品「バビル2世」に登場することでも知られている。 異星人技術(エイリアンクラフト)のコンピュータに守られ、ミサイルやレーザーで武装した 完全自律作動のバベルの塔の設定はSF的である。

 
関連項目一覧
エル 【カナーン,ユダヤ:神】
ニムロデ 【ユダヤ:王】
ヤーヴェ 【ユダヤ:神】
ユダヤ 【文化地域項目】
ジッグラト(ジグラット) 【シュメール:塔】

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