グリモアの伝統の中で人気のあるデーモン。ソロモン72柱の霊、悪魔の一人で炎の戦車にのった
美しい天使の姿
であらわれる。またエノクのデーモン一人としては「美しい天使としてあらわれ…耳に快い声で
しゃべり、高位高官をさずける王」だとされる。
すばらしい外見で物腰は優雅で威厳があるが、地獄の霊でも最も放埓におぼれ悪徳にとりつかれ
れた者だという。
名前は「無価値なもの」を意味するヘブライ語に由来(「サムエル記上」第10章27節、 「コリント人への第二の手紙」第六章十五節)。 あるいは「反逆者、したがわぬ者」(ド・ランクルによる)
シドン人(古代フェニキアの都市サドン[現サイダ])が崇拝したともいう。ソドムをはじめ 各地に信者がいた 中世の学者たちには堕天した 力天使であるという説もあったが、時代が下ると 怠惰を代表する下卑たデーモン、またはサタンの多数の顔のひとつにすぎないとも いわれる。またデーモン学ではルシファーに続いて創造されたともいう(ヴァイヤーによる)。
ベリアルに答えさせるには捧げ物をして正直に答えさせなければならず、 神の名において真実のみをいうことを命じないと、嘘ばかり答えるという。 力天使と天使からなる80の軍団を統率し服従するものの危機は必ず救うとも。
ソロモン王はベリアルの軍団52万2280人をビンに閉じ込めたという。 (ベリアルの軍団ではないが、ソロモン王は別なときに66億6千万の悪魔を幽閉したとも伝わる)
参考資料
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地獄の辞典 (コラン ド プランシー:著)
・
悪魔の事典 (ゲティングス:著)
他
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary