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禁書目録 インデックス Index Librorum Prohibitorum(ラテン語) >>関連項目一覧


'Index'とも。ヨーロッパ、キリスト教で カトリック信者の信仰と道徳に重大な支障を招くおそれがある、と教会当局から判定された 禁読図書の目録のこと。普通「インデックス Index」とよばれる。
英語ではThe Index of Forbidden Books 。

1564年のトリエント公会議のとき特別委員会が置かれ、1571年、今日知られる整備された 禁書目録が作成、公刊されたという。(それ以前にも断罪された図書はあった)

1616年3月5日、法皇パウルス5世に召集された禁書目録会議えは「地球の自転と(太陽をめぐる)公転は虚偽」と してコペルニクスの著述(『天体の回転』等)、その他「地球の運動を肯定する著述すべて」は罪と判決された。 名指しこそしなかったが、ガリレオとケプラーの著作も暗黙的に発禁書に含まれた。
(後に、これらの科学理論を教えることの認容が法皇ピウス7世に認可されたのは1822年)

この禁止は、読書だけでなく著者、出版、販売、翻訳、蔵書にいたるまでを含み、 重大な違反は破門の罰を受けたが「反カトリック図書」が全部禁書目録に入っていたわけではない。
断罪の対象は、主に神学的または思想的な著作で、文学的作品は少ない。

禁書目録は見直しや大幅削減が行われるにつれて新版や改訂版が出された。1948年の時点で 17世紀以来断罪された図書数は4126冊になっている(うち255冊が20世紀に入ってからのもの)。 禁書目録の弊害が認められた第二バチカン公会議のあと、1966年に禁書目録は完全に廃止。

治安維持や信仰上の問題、風俗取締りなどのいろいろな理由から、政府や教会の命令によって書物の 発売、輸入、所蔵、閲覧を禁止することは 世界の多くの国にみられる。近現代でも禁書・焚書等が行われている。



余談だが、日本の多くの人々は、この言葉のキリスト教的な背景を知らず、ライトノベル・アニメ作品「とある魔術の禁書目録(インデックス)」で 知っている。

参考文献
・日本大百科全書 (執筆者:越前喜六,金子和正 小学館)
科学と宗教との闘争 (1968年) (岩波新書)
とある魔術の禁書目録(インデックス)

 
関連項目一覧
キリスト教 【文化地域項目】
ヨーロッパ 【文化地域項目】

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