ヨーロッパ文化圏の言葉。「影響、感化、影響力、威信」などを意味するが、元は「星の影響」
という占星術的な考え方からきている。
病気、流行する感染症などは星の影響など超自然的な力が関係していたと考えていた。
インフルエンザの名前に語源としてその片鱗が残っている。
現在も英語辞書を引くと5番目位の意味に「占星感化力,神秘的な力」と載っている。
元は中ラテン語、ラテン語influentia(in-中へ+fluere流れる+-ia -Y3=中へ流れ込む)、
で、初め天文用語で「星が流れ込んで起こる力」のことだった。
13c世紀の古フランス語では"emanation from the stars that acts upon one's character and destiny"
(その人の性格と運命に従って行動する星からの放射物[直訳])といった意味や、
14c世紀頃では"streaming ethereal power from the stars acting upon character or destiny of men,"
「人々の品格または運命に従って行動している星からのストリーミング・エーテルの力(?直訳)」と
いった記録もみられるようだ。
インフルエンザinfluenzaという語がみられるのは1743年イタリアで、"influenza, epidemic,"という
記録がある。
"visitation, influence (of the stars),"[訪問(訪れ)、星の影響]という意味からだという。epidemicは
「病気が流行性の、伝染性の」の意味。
あるいは1504年以降、influenza di febbre scarlattina "scarlet fever"(猩紅熱)、という様に
病気のためにイタリア語で使われいた。
インフルエンザは当時は致死率の高い病気だった。
ミアズマの項目でも述べたが、悪い空気、瘴気(しょうき)が影響するとも考えられていた。
中世頃まではヨーロッパでもアジアでも飢饉・疫病・戦争は神の意思、人々の宿業で起きるなどと 考えていた節がある。
参考資料
・eプログレッシブ英和中辞典 (JapanKnowledge)
・ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY
他
関連項目一覧
ヨーロッパ (文化地域)
ミアズマ(瘴気) (病気)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary