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タンホイザー Der Tanhuser, Der Tannhäuser >>関連項目一覧


ドイツの伝承、歴史にでてくる伝説のミンネジンガー(吟遊詩人 12-14世紀ドイツの貴族・騎士たちの間の叙情詩ミンネザンクの作者たち)、騎士。

オーバーファルツ地方ノイマルクト近郊タンハウゼン城の出身といわれるが定かではないという。 ニュルンベルクの一族でドイツ騎士団(ドイツ人の聖母マリア騎士修道会)に属した騎士とする傍証もあるという。 マネッセ写本における衣装は騎士団の制服だという。
1245-1265年に書かれた作品から、宮廷を廻る職業詩人として長くオーストリア公フリードリヒ2世(1211-1246)のウィーンの宮廷 で庇護を受けていたようだ。
1228-1229年の皇帝フリードリヒ2世の十字軍にも従軍、1231-1233年のキプロス戦争に参戦した。 1246年のフリードリヒ2世没後はブラウンシュヴァイク、ブランデンブルク、シュレージエンの宮廷を巡り、1267年頃亡くなったという。

タンホイザーの事は15世紀以降、伝説化され後世に伝えられ、野外の舞踏歌であろう6篇のライヒ、十字軍や貴婦人への奉仕を歌った 10篇のミンネリーが残されているという。

1515年にニュルンベルクで出版された歌謡(バラード)でのタンホイザーは、十字軍の贖罪(しょくざい)の価値を歌う「贖罪歌」の発展として ヴェーヌスベルクでの誘惑やローマへの贖罪巡礼行にまつわる伝説として語られた。
女神ヴェーヌス(Venus)が住むヴェーヌスベルクで恋の快楽、肉欲の世界に溺れたタンホイザーは悔い改め免罪を受けるためローマ教皇のもとへ 赴くが「教皇の持つ枯れ木の杖に葉が生えない限り、神の恩寵はかなわない」と拒絶されヴェーヌスベルクに還った。
そのご杖に葉が生えたので使いを出したがタンホイザーを探し出せなかったという。

歌謡は1799年ティールケ(Ludwig Tieck)、1837年のハイネ(Heinrich Heine)たちにより版を重ね、 1845年初演のリヒャルト・ワーグナーの「タンホイザー(とヴァルトブルクの歌合戦)」では ヴァルトブルクの歌合戦の伝説と融合され、ある種、神話化された作品となった。

 
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