ヨーロッパの伝承上の怪物、悪魔。名前はフランス語のガルグユ(食道、喉の意)に由来するという。
13c世紀のフランス語gargurl、古期フランス語gargoleからで「のどthroat、樋口、放水口waterspout」。
garg-+goule。「garg-」はノドの音(ガラガラ?)をあらわすオノマトペ様の語。gouleは「口」を意味するが
ラテン語gula(のど)に由来するという。中期英語 gargoile
元々、建物の樋口の部分で
口から水がでるような仕組みのようだ。ゴシック建築の大聖堂のものはそのように樋口になっている。
ゴシック式建築の屋根などに配され、怪物の形をした石像だが本来は雨水の吐水口。雨水落し。樋嘴(ひはし)。
大口をあけたデザイン。人や動物、獣の形の怪物の像のことだが
転じて「醜怪な容貌ようぼうの人」もいう。
豚の形などが用いられるが、なぜ恐ろしい姿、形なのか。象徴的意味でつけられたらしい。 古いガーゴイルには恐ろしい姿、伝説をもってるという。
日本の鬼瓦を想起させるし、「邪視」を著したエルワージは魔除けの意味があると説いた。
水管のないもの(樋口になってないもの)は正しくは「ガーゴイル」
ではなく(のど状の形、放水口のもの=ガーゴイル)、ただの化け物の石造ということになるのだろうが、
曖昧なようだ。
現代ではファンタジー系のゲーム・小説などで石造タイプの悪魔、怪物に名前が使われている。
参考資料
・
悪魔の事典 (フレッド・ゲティングス著)
・ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY
・大辞泉 (JapanKnowledge)
・ランダムハウス英和大辞典
・現代用語の基礎知識
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary