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白雪姫(しらゆきひめ) Schneewittchen 英語Snow White (グリム童話 >>関連項目一覧ゲルマン、ドイツの民話伝承。グリム兄弟が収集した民話伝承がよく知られる。 名前の意味は「雪のように白い」という美しい娘の特徴から。 ドイツ語-chenは、赤ずきんの項でも述べたが、かわいいものにつける。白雪ちゃんといったところか。 王妃が、雪が羽のように降る日、黒檀の木製の窓辺で縫い物をしていた時、針を指にさしてしまい 血が雪に滴った。それをみて「雪のように(肌が)白い、血のように(頬が)赤い、黒檀のように(髪が)黒い子どもが欲しい」と願い、 願い通りの美しい女の子が産まれる。 そこで白雪ちゃんSchneewittchenと名づけられた。 ちなみに王妃も国一番の美しく自慢していた。毎朝壁の鏡に「鏡よ鏡、一番美しいのは誰?」とたずねると 「王妃が一番です」 と答えがかえってきた。しかし白雪姫が産まれた後は「でも白雪姫は千倍美しい」というので 妬ましく、憎らしく、森の奥で殺させて、その肺と肝臓を塩ゆでにして食べようと考えた。 猟師に命じたが、猟師はかわいい白雪姫の命乞いされ「どうせすぐ獣に食べられてしまうだろう」と、 見逃した。ちょうど若い猪がでたので殺し、猪の肺と肝臓を持ち帰った。王妃は内臓を食べて安心した。 白雪姫は七人小人Seven Dwarfsの小さな家を見つけた。清潔で小さな物がいろいろあり、食事をとって ベッドに横になってしまう。小人が もどると美しい姫に、家事をしてくれたら不自由させないと家においてくれた。 小人たちは昼は鉱山で金を掘っていた。 王妃がまた鏡に聞くと「王妃は一番美しい。でも七つの山にいる白雪姫が千倍美しい」 というので、7つの山には7人の小人しかいないので、もの売りに変装してでかけていった。 「いいものがあるよ」といって黄・赤・青色の絹の胸紐をみせ、結んであげるといって きつく絞めて息を止めた。小人が戻り紐を切って助かった。 二度目は毒の櫛を刺されたが、また抜いてもらい助かった。 三度目は猛毒りんごを作った。半分は無事で、見事に赤い半分が毒だった 。半分食べて無事なので、かじると毒にやられた。 小人も今度は助けられず、埋葬しようかと思ったが、腐らずに生きているように美しいままなのでガラスの棺を作って 入れた。 迷ってやってきた王子が美しい姫をみつけ、棺に金文字で書かれているものを読んで姫と知り、 死んだ姫の棺を売ってほしいと小人たち にいった。金では売れないというと、「では下さい!」と強い意志を示すので譲った。 王子は自分の部屋において片時も目を離さず、出かけるときは召使いに運ばせた。 しかし召使いはこの仕事にたまらず「お前のせいでひどいめにあう!」と棺から姫を出し背中を殴った。 すると毒リンゴのかけらがでてきて、姫は生き返った。 王子は喜び、二人は結婚することになり、姫の母の王妃も招待された。 母妃は鏡に「若い王女 は千倍も美しい」というので驚き不安になり、しかし見たくて出かけていった。 そこで白雪姫だとわかったが、悪い王妃は真っ赤に焼けた鉄の履物をはかされ、ひどい焼けどを追いながら死ぬまで踊りを踊らされたという。 以上が初版のグリム童話の内容で二版以降は、実の母妃は姫を産んで死に、継母がひどいことをする設定 に変わった。 グリム童話の話は収集された話の原稿と、グリムの編集、二版以降の改訂で 内容が変わる。 専門的な説明としては 初版53番(1812年) エーレンベルク稿43番(1810年) (この稿では棺を引き取るのは父親) ヤーコプが(おそらく)マリー・ハッセンプッルークから採話 フェルディナント・ジーベルトによれば初版以降、結末変えられたという ハインリヒ・レオポルト・シュタインによれば二版以降、蘇生部分が書き替えられた 二版以降は二度目で毒りんご殺害。 山の上にすえられた柩を王子が動かすとりんごが吐き出され蘇生。 日本では、1896年(明治29年) 巌谷小波が雑誌『少年世界』に「白雪姫」として訳す。 以後、多くの訳、絵本、ディズニーのアニメなど楽しまている。 絵本は1975年のナンシー・エコーム・バーカート作画の絵本『白雪姫と七人の小人たち』(富山書房) など多くしられる。 あとはグリムに忠実なのか、 それぞれの筆者が手を加えるか、細部はいろいろ異なるだろう。 1949年の光文社『グリム 世界名作 白雪姫』を底本にした菊池寛訳のものでは、 初版にそっているようだが、継母・証拠は血のハンカチ・蘇生は棺持ちが躓いた拍子に 等の違い。 肺と肝臓を塩ゆでで食べる、という点について、牛の肺はヤオギモとかフワといって煮て食べるようである。 なお不思議な鏡については付随するマメ知識的な情報がないようである。 元来、姿を映す鏡は魔法的なものとされるので不思議はないか。日本でも天狗の遠眼鏡(望遠鏡)や、江戸時代の町人向けの本に眼鏡がヴァーチャルリアリティ のように目の前にないものを映す、といった表現があり類似であろう。 余談だが、2014年のアニメ作品『ハピネスチャージ・プリキュア』のヒロインの一人、キュアプリンセスの変身前の 名前は「しらゆき ひめ」である。 参考資料 ・ 昔話・伝説小事典(みずうみ書房) ・ 初版グリム童話集(2) (白水uブックス 165) ・白雪姫 (菊池寛:著 青空文庫) ・故事名言由来ことわざ総解説 (自由国民社) ・完訳グリム童話集 (金田鬼一:訳 岩波文庫) ・ 現代独和辞典 (ロベルト・シンチンゲル 三修社) ・和独 (三修社) 関連項目一覧
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