またはゴルィヌィチ、ズメイ・ゴルイニチ。ロシアの英雄叙事詩ブィリーナ等の伝承、民話にでてくる魔物、大蛇、ドラゴン。
(ゴリニチも参照)
名前はロシア語で、山を意味するゴラーгораに由来する(ズメイ、ツメイはスラヴ、ロシア地域で「竜、蛇」を意味する)。
3つの首、12の尾の大蛇で口から炎を吐き、2枚の翼で轟音とともに空を飛ぶ。人語を話すこともできる。
英雄ドブルィニャに、一度目破れた時は「未来永劫広野で戦わない、血を流す争いをしない」と証文を書いた。
しかし、その後すぐキーエフの都でウラジミール公の姫君ザバーヴシカをさらった。公の命でやってきてドブルィニャに、
証文をたてにとられて、姫を連れ戻された。
また巨人化する邪悪な魔法使いとその甥の竜 ゴリニチの物語では皇帝の姫をさらったので魔法の剣サモセクで真っ二つに斬られ退治された。
山に対する畏敬の念が山の擬人化、神格を持ったともいえる勇者ゴルィニャ、またはゴルィヌィチとして語られる場合もある。
スロベニア,ロシアでゴリニッヒ gorynichという竜人の魔物もいる。
参考文献
・ロシア英雄物語 (中村喜和:編訳 平凡社)
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary