中国の伝承にでてくる想像上の動物。火山の火中にすむ鼠だという。中国風の読みではカソ。
この火鼠の毛で火浣布(かかんぷ)をつくるという。火浣布は汚れても火に投じれば汚れが消えるという。 江戸時代、平賀源内は石綿を使って、この伝説に近い燃えない布状の物をつくり、「火浣布」と名づけた。
日本の「竹取物語」で入手の困難な品物として「火鼠の皮ぎぬ」(火鼠の皮衣)がでてきた。やはり火に入れても 燃えないといわれるものだが、物語中では偽物だったのか燃えてしまう。
江戸時代の書物「和漢三才図会」には以下の記述がされていた。
「火鼠 ひのねずみ 火浣布 用皮作之
本綱火鼠出西域及南海火州其山有野火春夏生秋冬死鼠産干中甚大其毛及草木之皮 皆可織布汚則焼之即潔名火浣布」
参考資料
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日本国語大辞典 〔精選版〕 1
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日本架空伝承人名事典 (平凡社)
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竹取物語 (岩波文庫)
他
関連項目一覧
日本 (文化地域)
中国 (文化地域)
サラマンドラ (ヨーロッパ:火竜,火の精霊)
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