シュメール・バビロニア、ヒッタイト神話に出てくる杉の森の守護神、自然神。古バビロニア語、ヒッタイト語の名は「フワワ」。
英雄ギルガメシュとエンキドゥに倒された。
フンババの叫び声は洪水、口は火、息は死だという。
シャマシュ神がギルガメシュたちの祈りを聴き、フンババに風をおこした。大なる風、北風、南風、つむじ風 、嵐の風、凍てつく風、怒涛の風、熱風、八つの風を、フンババにに対して起こした。フンババの眼に対して打ち当たった。 これでフンババは降参するが、エンキドゥは生かしておくなという。
別の語のテキストでは、ギルガメシュたちがフンババに近づくときに、目くらます光 (メリンムmelimmu シュメール語起源 「魔的な力」のことらしい)は、ちりぢりに消えうせ、ギルガメシュとエンキドゥが フンババの首すじに三度切りつけて倒した。
H・ガスターは著書『世界最古の物語』で、フンババが一つ目の視線で石化すると述べているが、どのテキストによるか不明。
ちくま文庫『ギルガメシュ叙事詩』の解説では、「フンババ=杉の森の自然神」と仮定し、杉の森の位置からシリア、アナトリアとの関係を示唆。
フリュギアの女神キュベベ(キュベレー)、ヒッタイトの女神クベベとの類似に注目。またエラムのフンバンという神との関係も明らかにする必要がある等書かれている。
参考資料
・世界最古の物語 (H・ガスター 矢島文夫訳 教養文庫)
・ギルガメシュ叙事詩 (ちくま文庫)
・古代オリエント集成 (筑摩書房)
・世界神話辞典 (アーサー・コッテル著 原書房)
他
シュメール神話 | 【文化地域:古代オリエント】 |
バビロニア | 【文化地域:古代オリエント】 |
ヒッタイト(ハッティ) | 【文化地域項:古代オリエント】 |
ギルガメシュ | 【シュメール、アッカド、バビロニア:英雄】 |
エンキドゥ | 【バビロニア:英雄】 |
(C) 幻想世界神話辞典 - GENSO SEKAI Myth dictionary