風鐸ふうたく、とも。
古く中国の書にみえ鉄馬、簷馬(えん- [ひさし])、風琴、風筝などの名もみえる。
日本では室町時代には家具として普及した。
江戸時代 風鈴売りは虫売りと並んで夏の風物詩だったようだ。軒下につるし、
風でチリンチリンと鳴る音で涼を感じる。ガラス、青銅、鉄など様々なものでつくられる。
鐘の形のなかに吊るした舌があたって音がでる。
俳諧では風鈴、風鐸は夏の季語。
「風鈴蕎麦(そば)」は江戸時代、夜間に風鈴を鳴らして売り歩いた屋台のそば屋。
「ふうりんそばでも買てくらへ」(洒落本・蚊不食呪詛曾我)
これを略して風鈴といってるものがみえる。
「殊の外空腹だ、見れば爰に風鈴がゐる」(歌舞伎・四天王楓江戸粧)
「そしゃう箱かかへふうりん喰て居る」(川柳 天明三年)。
中国での風鐸は、堂塔の四隅につるして飾りとしていた。日本には仏教とともに
はいってきたようだ。
唐の時代には占いに用いられていたらしい記録がある。岐王の頃、玉片の風鐸で占ったらしい。
「岐王宮中於竹林内懸碎玉片子 毎夜聞玉片子相触之声 即知有風 号為占風鐸」
(『開元天宝遺事・占風鐸』五代 王仁裕)
「唐朝時 唐睿宗的儿子岐王在所住的宮中竹林里挂了很多玉片
岐王听玉片的碰撞声来判断風的方向 所以称“占風鐸”。后来又傳到日本。」
(『洛陽伽藍』北宋 宝鐸含風,響出天外)
日本の林謙三氏が風鈴風鐸に関して「古いインドの風習で鈴鉾の類を仏寺塔廟に懸けていた」旨述べているようだ。
参考資料
・
日本国語大辞典
・日本大百科全書 (小学館)
・百度百科
他
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