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イワカムツカリノミコト 磐鹿六鴈命 いわかむつかりのみこと >>関連項目一覧


日本の神話伝承の料理神。孝元天皇皇子大彦命の孫で膳臣(かしわでのおみ 天皇の料理を作る部族の長)の遠祖とされる。 「日本書紀」によると 景行天皇五十三年十月の条で、天皇の東国巡幸に供奉、上総国に至り、海路をいき 淡水門(安房,あわみなと 千葉県)で白蛤(しろはまぐり、アワビとも)を得て これを膾(なます)に作り献上し、その功により膳大伴部(かしわでのおおともべ)を賜わったという。
蒲(がま)の穂をたすきにかけて調理したという。

十世ののちの子孫は高橋朝臣(あそみ,あそん)の姓,位を賜ったという。 「高橋氏文」(歴史を綴った上申文)には、この時調理したのは堅魚(カツオ)と白蛤で、 煮物・焼物・なますにして、はぜやまきの葉の器に盛り付けたという。

この故事の残る地(千葉県南房総 旧安房郡千倉町)に磐鹿六鴈命を祀る高家神社(たかべ-)がある。 全国の料理人調味料関係者が崇拝している。神嘗祭,新嘗祭等に 式題「神前包丁の鯉」などを行う。 箸を使い、食材に手をふれない包丁さばきで、厨房作法の基本だという。

栃木の高橋神社は磐鹿六鴈命を祖神と祀ってきた、延喜式にも記載される古社。
こちらは「鯉の明神」と呼ばれ氏子の鯉食が禁忌。後一条天皇の長元二年(1029年)に境内 で井戸を掘った時大きな鯉があらわれ天皇に献上。「日本一社禁鯉宮」の勅額を賜ったのが由来。

神徳は料理人守護、料理・醤油などの関係業者守護だという。

参考文献
日本国語大辞典 (小学館)
「日本の神様」がよくわかる本 八百万神の起源・性格からご利益までを完全ガイド (PHP文庫)
・千葉日報 (2011/11/24)


 
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